ひどい咳込み ページ30
昼御飯も食べ終わり、智の顔を見に行くことにしたニノと翔。
ニノ「さーとしぃ」
翔「さとしくぅん」
ｶﾗｶﾗと扉を引く音と共に響く、２人の声。
智「ｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯ」
重たい咳が病室に響いている。
一瞬にして凍りつく空気。
ニノ「智？！」
翔「さとしく？！」
智「ｺﾞﾎｯ・・・ﾊｧｯﾊｧｯニ、ﾊｧｯﾊｧｯノ・・・ｺﾞﾎｯ」
ニノ「智苦しいの？！」
弱々しく差し出される智の右手を握る。
智「しょｺﾞﾎｯ・・ちゃ・・ﾊｧｯﾊｧｯ」
翔「智くんっナースコールするよ？」
智「まっ・・てｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯｺﾞﾎｯらぃ、じょぶ・・・ﾊｧｯ・・・、から・・・」
翔「智くん・・・じゃあ、背中さすろっか」
ニノ「智、こっち下にしよ。」
点滴している右腕を下にし、智の体を支えながらゆっくり横を向かせる。
智「ﾊｧｯﾊｧｯｹﾞｯﾎｹﾞﾎｹﾞﾎ」
智の背中をさする翔。
翔「智君つらいね・・・」
智「ﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯﾊｧｯん・・ﾊｧｯﾊｧｯ・あ、ぃがﾊｧｯ、・・と・・・」
ニノ「汗びっしょりだね、タオルここにあるのでいいかな？」
いつも枕元にある紺色のタオルで智の顔を優しく拭いていく。
智「ﾊｧｯ・・ﾊｧｯ・・・・ベ、ベッ・・・ト・・・おこ・・て・・」
ニノ「ん？リクライニング上げるの？そっちのが楽？」
眉を寄せて必死にｺｸｺｸと頷く智。
ニノ「じゃ、上げるよ？」
少しベッドを起こして智の様子をみる２人。
落ち着いてきたのか、ｳﾄｳﾄし始める智。
ニノ「ここにいるから、寝ちゃっていいよ。」
手を握り直して優しく声をかけると、
安心したのか、荒い呼吸のなか目を閉じる智。
翔「よかった、智くん落ち着いたみたいだね。」
ニノ「うん・・・翔ちゃん、部屋戻る？」
翔「うん、ニノは？」
ニノ「ん〜、もうちょっと居る。」
翔「わかった。」
ﾆｺｯと笑って、ゆっくりと立ち上がる翔。
翔「わっ」
カシャーン
ドサッ
翔「ってぇ・・・っ」
ニノ「翔ちゃん！」
派手に倒れた翔の元に慌てて駆け寄る。
翔「うぅ〜・・・ごめ・・・智く・・起きてない？」
ニノ「うん、大丈夫だよ。どっか打った？」
倒れたまま動けないのか、顔を歪めてその場にじっとしている翔。
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
