さとしのこと（気象系病系） (ページ3)

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ワクワク気分ページ3

ニノ「あ、あの、俺入院したばかりで、あんまり病院のことよくわからなくて・・・
えーと、良かったら案内してもらえませんか・・・？」

初対面なので少し遠慮がちに、でも固くなりすぎないように笑いかける。

しかし、沈黙が訪れる。

あ、あれ？なんか変なこと言ったかな？
不安になりかけたとき。

智「あ、ごめん、おいら・・・あんまりとおくぅ、いけな、くて。・・・ごめんね？」

申し訳なさそうに答えた智。

そっか、そーだよな、病院だもん、そんな人がいてもおかしくない・・・
と、心のなかで納得する。

ニノ「ううん、大丈夫！逆にごめんね？」

慌てて返事をするニノ。

智「あ、おいら・・・、そろそろもどらないと・・・じゃあね」

ニノ「あ、うん。また・・・」

ゆっくり立ち上がると、ﾌﾆｬﾌﾆｬした笑顔を見せた智。

不意打ちに思わずドキッとする。

智「あ、おいら、508。ゴーヤ」

ニノ「っへ？」

何の番号かわからなかったが、すぐに部屋の番号だと思い当たる。

ニノ「あ、俺は502の、二宮和也。」

慌てて自分の部屋も伝える。

智「502かぁ。コオニだね。ﾌﾌ」

またﾌﾆｬﾘと笑った。

細くて顔も小さいけれど、少しふっくらとした頬が、
柔らかく可愛らしい印象を与えているのかもしれない。

それに、語呂合わせをしたがるところも無邪気で可愛い。

智「にのみや、かずなり」

覚えるかのように、フルネームで呟く。

ニノ「あ、ニノでいいよ。えっと、カズって呼ばれることもあるし。どっちでも」

仲良くなりたくて、慌ててあだ名をオススメする。

智「よろしくね、ニノ。おいら、おおのさとし。さとしでいいよ。」

そう言ってまたﾌﾆｬﾌﾆｬ笑うと、ゆっくりした足取りで去っていった智。

ニノ「さ、とし・・・」

心の中で何度も呟き、自分の部屋へ戻り日記をつける。

『今日は、「おおのさとし」という人と知り合った。
ボーッとした雰囲気で、なんだか可愛い。明日も会えるかな。』

簡単に書き、ノートを引き出しにしまう。

ニノ「ふぅーっ」

息を吐きながらベットに体を預け、
少しワクワクした気持ちでいる自分を笑った。

その日はなんだか気分が良かったことを思い出し、翌日もあの椅子で智を待った。

それから２人は少しずつお互いを知って。

距離も縮まっていった。