智と翔の出会い ページ16
ニノ「あれ？」
ニノの部屋の前に誰かがいる。
ニノ「今日だれか来るって言ってたかな？」
少し早歩きで部屋に向かう。
ニノ「あ！」
翔「ニノ〜」
ニノ「翔ちゃん、どした？」
翔「遊びに来たんだよぉ〜」
ニノ「もう痛み引いたの？」
翔「うん、今日は調子いいのよ。」
ニノ「よかった、これから智のとこ戻るんだけど、
翔ちゃんどーする？一緒に来る？」
翔「え？俺行ってもいいの？邪魔じゃない？」
ニノ「ﾝﾌﾌ、智も喜ぶんじゃないかなぁ。」
翔「それなら行こっかなぁ。」
ニノ「うん、待ってて、すぐ戻る。あ、翔ちゃん座る？」
翔「ありがと、でも大丈夫、一回座ると立つの大変なの。」
ニノ「そっか」
本を取り、ゆっくり歩く２人。
翔「智くん、大丈夫なの？手術したんでしょ？」
ニノ「うん、さっき起きたとこだからまだボーッとしてるけどね(笑)
そうじゃなくても智はいつもボーッとしてるけど」
翔「ﾊﾊﾊ」
ニノ「ﾝﾌﾌ」
杖をついてるせいか、少しだけ前屈みの翔。
おかげで目線がちょうど合う。
それにしても、年上とは思えない
智とは種類の違う可愛さがある。
心の中で思いながら、翔の顔を見つめるニノ。
翔「ﾌﾌ､なぁに？」
ニノ「あ、いや。ここだよ。」
ドアをスライドさせ、先に入るニノ。
その後に、ゆっくり入る翔。
ニノ「智、ただいま。」
翔「おじゃまします・・・」
そっと智に話しかける翔。
智「・・・ん・・・おか、えり」
ニノ「智、いつも庭にいた翔ちゃんだよ。
昨日ね、たまたま知り合ったんだよ。」
翔「櫻井翔です。ニノが、昨日助けてくれて。」
智「しょう・・・、ちゃん？」
翔「あ、昨日、大変だったんだよね？
疲れてるでしょう。
俺そろそろ部屋戻るよ。また今度ゆっくり話そう？」
そう言うと、引き返そうとする翔。
智「・・・ま、まって・・・・・・」
弱々しい智の声に、顔だけ振り返る翔。
智「ﾊｧ・・・ねた、まんまで・・ごめ・・・」
翔「えっいやいや、こっちこそ急に来てごめんね？」
ニノ「智、気にしなくていんだよ？
翔ちゃんもこの階の人なんだから。」
翔「うん、俺も調子悪いときはずっと寝てるから。気にしないで？」
智「・・・んぅ・・・まだ、いて・・・？」
弱々しくはあるけれど、確かにﾌﾆｬっと笑った智。
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作者名：天の子 | 作成日時：2019年7月14日 14時
