さとしのこと（気象系病系） (ページ15)

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戻ってきてページ15

智の部屋を覗くニノ。

ニノ「だよな・・・」

ベッドが空っぽなことを確認し、
智の存在が確実に大きくなっていることを自覚する。

テーブルの隅に乱雑に置かれている智の絵。
その中に、一際目をひくものがあった。

ニノ「Ka・・・zu・・na・・ri・・・？
え、俺の名前・・・？
すっげぇカッコイイ・・・
なんだよ・・・
どんだけ俺のこと好きなのよ？」

思わず、ﾌﾌｯと笑い、
勝手に溢れる涙をそのままにする。

ニノ「早く、戻ってこいよ・・・」

翌日

智の部屋の前まで来たが、
なんだか恐くて開けられず、立ち往生するニノ。

ニノ「もう、落ち着いてるかな・・・
ふぅ。」

一呼吸おいて、ドアをスライドさせる。

ベッドに横たわっている智。

ニノ「智・・・」

思わず駆け寄り、傍にある椅子に座る。

智の鼻には酸素チューブがつけられ、腕には点滴がついている。

目を閉じ、静かに眠る智のカワイイ顔を見つめるニノ。

落ち着いている呼吸。穏やかな表情。

目を覚ますまで、待っていることにした。

本でも持ってこようかと立ち上がろうとした時。

ﾋﾟｸｯ

智の瞼が動いた。

ニノ「さ、智？」

恐る恐る呼び掛けると

ゆっくりと智の瞼が開く。

ニノ「・・・わかる？」

智「・・・ん・・・」

目覚めたばかりで、焦点の合わない目をﾊﾟﾁﾊﾟﾁとする智。

智「・・・・・・」

ニノ「智？痛いとこない？」

智「・・・」

しばらくの沈黙。

智「・・・ん。」

わずかにｺｸﾝと頷く。

ニノ「そっか、良かった。苦しいとか、辛いとことかない？」

智「・・・」

またしばらくの沈黙。

智「・・・ん。」

再びわずかにｺｸﾝと頷き

ニノが笑いかけると、安心したように目をつむる智。

ニノ「本とってくるからさ、寝てて？」

智の頭を撫でて、部屋を出る。

ニノ「よかった・・・」

ものすごくホッとして、思わず泣きそうになり、

涙を堪えながら自分の部屋へ向かう。