129【進めますように】 ページ30
ここに長居しても自分を責めてしまうだけだし、おばあちゃんにも迷惑だと思うからそろそろ帰ろうと思った時、
「大介君、これ。」
と、おばあちゃんが一冊のノートをくれた。
佐「これ…日記？」
「大切にしていたものだから、大介君に渡そうと思って。よかったら他にも何冊かあるから目を通して貰えるとお父さんも喜ぶと思うの。」
佐「勿論、貰います。」
一択しかない質問に答えると、おばあちゃんは思いの外たくさんのノートをバッグに入れて渡してくれた。
ずっしりと感じるこの重みは今まで父さんが生きてきた証。
バッグを握った両手には自然と力が入った。
佐「じゃあ、そろそろ失礼します。」
「…またいつでも来てね。ここが貴方の実家だと思って。」
佐「…はいｯ！」
実家…俺にとっての実家は嫌な思い出しか無かったから、ここを実家と思っていいのなら最高の気分だ。
「それから、阿部さん。」
阿「はい」
「大介君のこと、これからもよろしくお願いします。貴方は私たちも気付けなかった育児放棄から大介君を救ってくれた。
二人で、幸せになって下さい。」
阿「わかりました。…僕、自分がしたことが正しかったのかずっと考えていたんですけど、これで良かったんですね。」
「いいえ、"これで"良かったんじゃない。"これが"良かったんです。
本当に、本当にありがとうございました。」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 641人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
shi★mo(プロフ) - 古鷹さん» ありがとうございます！素敵なお話だなんて嬉しいです！ゆっくりですがアフターストーリー書き進めてますので楽しみにしていてください！ (2020年9月27日 3時) (
レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
古鷹(プロフ) - shi★moさま 完結おめでとう御座います。あべさく大好きな私はこの重くて素敵なお話をゆっくり噛み締めながら大切に読ませて頂きました。アフターストーリー、健くんとのお話も楽しみにしています！ (2020年9月19日 13時) (レス) id: ea12c80722 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - とむさん» こちらこそありがとうございました！感動して頂けて幸いです！長い間本当にありがとうございました！ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
とむ - 凄い感動しました！ありがとう御座いました。そして完結おめでとう御座います。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 641e996ae4 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - ロリポップココアさん» ありがとうございます！私の作品で感動して頂けるなんて本当に嬉しいです。アフターストーリーの方も、投稿したら是非読んで下さい。 (2020年6月11日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霜 | 作成日時：2020年5月30日 13時
