123【愛】 ページ24
佐久間side
最初の頁だけ目を通して、閉じてしまった書類。
それを仕事終わりに寄ったファミレスで恐る恐る開いた。
一番上には太文字で死因と書かれている。
佐「何か、刑事ドラマみたいな言い回し」
怖さを紛らすように言ったけど刑事ドラマなんて嫌な事件ばっか起こるから、余計怖くなってくる。
「ふ〜」と息を吐いてゆっくりゆっくり、視線を少しずつ下にずらしていく。
何やら難しそうな漢字が並んでいるのが目に入った。
覚悟を決めて直視する。
佐「慢性硬膜下血腫？」
なんとか読むことが出来たけど何のことかさっぱり分からない。
これが分からないと前に進まないじゃん、と思ったけどご丁寧に説明が書かれていた。
『通常数ヶ月かけて、頭蓋骨の下にあり脳を覆っている硬膜と脳との隙間にじわじわと血が貯まってくる病気』
病気っぽいけど説明を聞いてもよく分からないな。
とにかく読み進めよう。
佐「だが、極稀に数年かかることもある…？」
数年という単語に何故か嫌な予感がしてドクドクと心臓が波打つ。
佐「その原因と思われるのは
……………交通事故？」
平成12年、車が歩行者に衝突。それから何年も経って、じわじわと脳内に血が溜まって死んだ。
事態が読み込めなくて落ち着く為に水を一気に飲んで急いでお会計をする。
佐「事故…」
嫌な響きだ。
でも事故ならしょうがないのか、と自分を納得させるように心の中で呟く。
沈んだ気持ちで歩いていると少し大きな横断歩道に引っかかった。
こんな時に車なんて見たくない。
早く帰ろうと次々に目の前を通り過ぎる車越しに見える信号機が、青になるのを待つ。
でも青になった時、俺の足が進むことは無かった。
何か、何か思い出せるような気がしたから。
"交通ルールは分かる？"
"もっちろん！佐久間さんをなめちゃだめだよ！横断歩道はー青になったら渡るの！赤はだめ！"
"黄色とか青が点滅してるときは？"
"ん〜…わかんない！"
一番最初に阿部ちゃんと出かけた時のやりとりを思い出しながら、周りの人が進んで行くのをただ見送る。
佐「交通事故…？」
頭の中の記憶と照らし合わせるように呟き、次に目の前の信号が黄色になった瞬間に＿＿＿＿＿＿
全部、思い出した。
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shi★mo(プロフ) - 古鷹さん» ありがとうございます！素敵なお話だなんて嬉しいです！ゆっくりですがアフターストーリー書き進めてますので楽しみにしていてください！ (2020年9月27日 3時) (
レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
古鷹(プロフ) - shi★moさま 完結おめでとう御座います。あべさく大好きな私はこの重くて素敵なお話をゆっくり噛み締めながら大切に読ませて頂きました。アフターストーリー、健くんとのお話も楽しみにしています！ (2020年9月19日 13時) (レス) id: ea12c80722 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - とむさん» こちらこそありがとうございました！感動して頂けて幸いです！長い間本当にありがとうございました！ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
とむ - 凄い感動しました！ありがとう御座いました。そして完結おめでとう御座います。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 641e996ae4 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - ロリポップココアさん» ありがとうございます！私の作品で感動して頂けるなんて本当に嬉しいです。アフターストーリーの方も、投稿したら是非読んで下さい。 (2020年6月11日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜 | 作成日時：2020年5月30日 13時
