122【俺の所為】 ページ23
阿部side
今日も帰りが遅い佐久間に代わって、ベランダのハマナスに水やりをする。
買った時は20センチ程だったハマナスも今では1メートルまで成長して夏には立派な花を咲かせるんだろうな。
でも最近佐久間が定期的に水をやっていなかった所為か、所々枯れてしまっている。
前は絶対にそんなこと無かったから、今佐久間がどれだけ余裕が無いかが分かる。
阿「よくここまで育ってくれたよなぁ」
あの花屋のおじいさんも見たら驚くだろうな。
前まではほぼ毎日「ハマナスちゃーん！」なんて話しかけて、大切にしてたからね。
ﾌﾞーﾌﾞーﾌﾞー
如雨露の中の水が空っぽになって部屋に戻ったところで携帯が鳴った。
阿「もしもし？」
浮「もしもし浮所です。夜分遅くにすみません。」
阿「大丈夫だよ。どうした？」
礼儀正しいのはいつも通りなんだけど、いつもの元気さが足りない気がする。
浮「佐久間って今家にいますか？」
聞くってことは何かあったのか？と心配になりつつも普通に返す。
阿「いや、まだ帰ってきてないよ。」
浮「最近メールしても返信が来ないんで心配で。阿部君には言っておいた方がいいかなって。」
阿「なにを？」
浮「佐久間、お父さんのこと探してたんです。」
阿「え、ほんと？」
あの憶測は本当だったのか。
浮「はい。それで探偵に調べて貰ったらしくて、内容は知らないんですけどショックな結果だったらしくて…。
まだ書類の最初しか読めてないって言ってたので佐久間がその先を読む前に阿部君に伝えなきゃって思って。
電話でこんな大事な話するの申し訳無いです。」
阿「いや、教えてくれてありがとう。俺全然知らなくて…」
浮「まだ帰って来てないなんて心配ですね…。」
阿「うん。最近ずっとこんな感じなんだよね。取り敢えず何かあったら連絡するね。」
浮「分かりました。」
阿「本当にありがとう、じゃあまた。」
浮「はい、失礼します。」
浮所からの電話を切った瞬間、インターホンが鳴った。
宅配便の類かとモニターで誰かを確認すると佐久間で、急いでドアを開けると倒れ込むように入ってきた。
阿「ちょ、どうしたの？」
浮所とか会話を思い出し心配になって聞くと、佐久間は迷子の子供のような表情で
佐「全部…俺の所為だった」
と蚊の鳴くような声で言った。
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shi★mo(プロフ) - 古鷹さん» ありがとうございます！素敵なお話だなんて嬉しいです！ゆっくりですがアフターストーリー書き進めてますので楽しみにしていてください！ (2020年9月27日 3時) (
レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
古鷹(プロフ) - shi★moさま 完結おめでとう御座います。あべさく大好きな私はこの重くて素敵なお話をゆっくり噛み締めながら大切に読ませて頂きました。アフターストーリー、健くんとのお話も楽しみにしています！ (2020年9月19日 13時) (レス) id: ea12c80722 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - とむさん» こちらこそありがとうございました！感動して頂けて幸いです！長い間本当にありがとうございました！ (2020年7月5日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
とむ - 凄い感動しました！ありがとう御座いました。そして完結おめでとう御座います。 (2020年7月2日 17時) (レス) id: 641e996ae4 (このIDを非表示/違反報告)
shi★mo(プロフ) - ロリポップココアさん» ありがとうございます！私の作品で感動して頂けるなんて本当に嬉しいです。アフターストーリーの方も、投稿したら是非読んで下さい。 (2020年6月11日 23時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜 | 作成日時：2020年5月30日 13時
