ビジネス不仲 (ページ7)

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そんな心配は無意味だったらしい。

次の日の朝、インターホンが鳴り見てみると廉だった。何で来てくれたのって聞くと「どうせいく場所同じやん。それにもし女やってバレたらどうするん？」だと。ありがたいけど。

廉「じゃあ行こ」

『ごめんちょっと待ってて。』

まだ、支度をしてなかったから家にあげて待ってて貰うことにした。

軽くお化粧をして、ウィッグを被ってあとは着替えるだけ。

流石に廉の前で着替えるのは無理。だけど1DKのこのアパートには他の部屋で待っててということができない。

『ごめん廉。ちょっと後ろ向いてて！』

廉「ん？…あ、気づかんかったわごめん」

『ううん。すぐ支度しちゃうからもう少しまっててね！』

あれ…？

廉の顔、少し赤くなってた？もしかして私のことちゃんと女だと思ってくれてるのかな…。

仕事では男として演じないといけないから、女だと思われてないかと思ってた。

少し、嬉しいかも。

『よしっ！お待たせ』

廉「よし、行くでー」

朝から嬉しい気分になれて良かった。これなら、撮影も上手くいきそう！

＊＊＊

「もう一枚いきます」

「もっと笑顔でお願いします」

『はい！すみません。』

前言撤回。やっぱり撮影は無理かも。

私は撮影が一番の苦手。笑顔とかキメ顔とか言われても上手くできないし、恥ずかしい。

「もう一枚撮ります」

『はい…」

結局私だけで沢山時間を使ってしまった。このあと、全員での撮影もあるのに。

『はあ』

憂鬱だなあ。そう思ったら自然とため息をついてしまった。

海「どうしたの？」

そしたら海人が心配してくれた。

『あのね～撮影が上手くいかないの。笑顔とか引きつっちゃう。』

海「ん～あ！それならさー、好きな人のこと思い浮かべればいんだよ。そうれば自然と笑顔になると思う！」

『そっかあ～』

海「うん！だから俺のこと思い浮かべてね～笑」

『そうするっ！』

海人に聞いて良かった。これなら確かに自然と笑顔になれそう。

「じゃあ撮ります」

海人に言われた通りに頭の中に思い浮かべる。ちょっとドジな海人を。可愛くて、面白いんだよね。でもダンスしてる時とかかっこいい一面もあって。

そうそう、かっこいいといえば廉もだよね。顔もだけど努力家なところとか…

「オッケーです。ありがとうございました」

海「Aちゃんと俺のこと思い浮かべた～？」

『うん！あと…あ。』

海「え？なになに⁈」

『な、なんでもない！』

私さっき…廉のこと思い浮かべてた…？