ビジネス不仲 (ページ6)

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『廉の家は何処なの？』

「⚫⚫駅から少し離れた住宅街やで。」

『へえ～やっぱり近いんだね！あ、明日はお仕事あるんだっけ？』

「全員で雑誌撮影やろ。」

『そうだった笑』

「しっかりしいよ」

何とか自然に喋れるようになった。けどまだよそよそしい感じ。
もしかして、私のこと嫌いなのかな？うん。あり得るかもしれない。一度も名前で呼んでくれないし。

『ねえ…廉、私がキンプリ入って迷惑だった？』

「何で？」

『だって私入ったばっかだし、Mr.KingでもPrinceでもないじゃん。なのに部外者がいきなりデビューって。』

「どう思ってると思う？」

私は真剣に話したのにいたずらっ子の笑みで質問に質問で返す廉。

『ん～。私だったら嫌、かな。だってみんなデビューしたくてしたくて、下積み頑張ってきたんでしょ。何年も。けど、私は下積みなんて無いも同然。
正直こんなに受け入れて貰えるのが不思議なくらい。』

話してて本当にそう思う。やっぱ、廉は私のこと嫌い…

「そんな訳ないやん。」

『え？』

「まあ、最初は驚いたけどな今は負けられないって気持ちが強い。

てか、海人みたいにほわほわしてる割には意外とネガティヴなんやな笑」

『いや、みんなが優しいだけだよ。でも、ありがと！』

あれ？意外と話しやすい…？

もしかしたら私が一方的に距離を取ってただけだったのかも。それに、優しい。

『あ、此処でいいよ。もう直ぐそこだから。』

「いや、もう直ぐなら送ってくで。」

『大丈夫！明日は撮影でしょ！ほら、早く帰らないと！』

こんなに私が廉を家まで連れて行きたくないのには理由がある。

「俺がいくと不都合なことでもあるん？」

『いや、不都合っていうか…』

「じゃあええやん。近くても何かあったら大変やし。」

紳士、なんだけどその優しさが逆につらい。

廉は何いっても帰りそうになかったから家まで付いてきてもらう事にした。

『ここ、私の家。』

廉「ここ？」

廉が不思議に思うのも無理はない。私の家は一人暮らし用のアパート。とても家族で住むようなところじゃない。

『今は、一人暮らしなんだ。親が仕事の都合で単身赴任してるから。』

廉「そうやったんか…。気いつけてな、女性の一人暮らしって危ないやろ。」

『うん。ありがと。』

ああ、最悪。海人は知ってるはずなのにわざわざ廉に頼むし…。

引かれたらどうするの…？

『廉も、気をつけて帰ってね！』

廉「ん。じゃあな」

『また明日。』