寂滅の天使は夜に笑う4

155佐久間side ページ33

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救急車で病院まで運ばれた康二は直ぐに手術をすることになり、ドラマのような手術室へと入っていった。


残された俺らに出来ることは何も無く、少し肌寒い廊下でお通夜でもやっているのかという空気でひたすらに祈っていた。


康二がどうか、助かりますように。と。




昔なら、仲間であっても死んでしまったら直ぐに忘れることができた。

所属する組織だって、他の組織に拉致でもされれば直ぐに乗り換えた。

トップは絶対。その意識でやって来たけれど、乗り換えればそれで関係は途絶える。



でも今回の組織は、違うんだ。きっとこれが本当の仲間。


だめなんだ。絶対に死んじゃだめ。忘れることなんて出来ない。

乗り換えることも、関係を終わらせることも、できやしない。



だって、こんなに素敵な人たちなんだ。



康二は、初めて会った時から俺のことを心配してくれていた。

俺が自分のことを傷つけてしまった時は、すぐに手当てをして、叱ってくれた。

俺がみんなの仲間になれるように頑張ってくれた。

思わず絡みたくなるようなボケをしてくれた。

いつだって裏表無く、100%の笑顔でくっ付いて来てくれた。



俺、康二にお礼したいことたくさんあるんだよ。康二にたくさんたくさん助けられてたんだ。

まだ出会ってそんなに経っていないけど、今まで過ごしてきた誰よりも、大切な存在。何でも屋の皆んなもそう。


俺、また9人で過ごしたいなあ。




だから…康二。


俺知りたいよ。






なんで、なんで自分から飛んだの？

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