153目黒side ページ31
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岩「目黒…」
二人の背中が、俺のことを認知した途端に跳ね上がった。
岩本くんは顔を上げて、あたふたし出すけど、支えが無くなったふっかさんは手で顔を覆ったまま座り込んでしまった。
目「どういう状況ですか、これ。」
いつかのように痩せ細っている康二の身体に触れる。
目「つめた、」
どうして。康二は眠っていた筈なのに。
目「誰に、やられたんですか？」
康二は何も悪くないのに。なんでこんな目に遭わなきゃいけないんだ。
目「答えてください！康二はどうして…」
何も言わない岩本くんの胸ぐらを掴む。
だが、今にも手を出しそうな俺は、阿部くんと舘さんによって引き剥がされた。
阿「目黒。康二はね…康二は…自分から…ｯ」
目「自分から？自分から、なんなんですか？」
薄々…というか、ほぼ分かっていた。事務所の前で頭から血を流している康二。
このビルから落ちたのは、確定。
ここにみんなが無事で居るんだから、奇襲では無いことも確定。
となれば残る可能性は一つしかないことを。
でも、信じたく無かった。
だって、だって。
つい先日まで笑顔で、元気だったじゃないか。
それどころか、佐久間くんや俺のことを心配して。
目「嘘ですよね？康二がそんなことする筈無い。ねえ！」
宮「悲しいけど、本当だよ。康二が何を思って、こんな事をしたのかは分からない。
でも、自分から飛び降りたのは事実だ。」
目「は…」
何言ってんだよ舘さんまで。冗談言う雰囲気じゃ無いよな？
ほら、康二もこんなに苦しそう。
血が出てるんだよ？康二が見たらきっとそれだけで倒れちゃう。
ああ、そうだ。
阿「目黒何して…」
さっき買った真っ白いふわふわのタオルで血を吸い取る。
ほら、これなら康二もまだ平気じゃない？
小さなハンドタオルでは拭ける量に限りがあるけど、何もしないよりは断然良い。
目「今綺麗にするからね。」
阿「めめｯ動かしちゃダメだ！」
誰かが何か言っている気がするけど、耳に入ってこない。
綺麗にしてあげないと、康二が。
康二が目を覚ました時に可哀想でしょ？
一心不乱にタオルで吸い取る。既に真っ赤になってしまったタオルはずっしり重たい。
それでも構わずに続けた。
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わーぉ(プロフ) - すごく面白くて続きが気になります！最後はどんな結末になるのか… (2021年11月9日 0時) (
レス) @page37 id: 88cbea371f (このIDを非表示/違反報告)
霜(プロフ) - オレンジさん» ありがとうございます！そろそろ終幕なので、楽しみに読んで頂ければ幸いです。 (2021年10月15日 11時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 話の続きが気になります。ふっかは黒幕なのかな？メンバー皆んなどうなちゃうんだろう？ (2021年9月11日 4時) (レス) id: 498347d06e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜 | 作成日時：2021年6月24日 23時
