140向井side【この世界は】 ページ18
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いつからだったかなんて、覚えとらん。気がついた時には俺は、暗い暗い夜でしか生きられなくなっていた。
「なあ、こーちゃん！見て見て！」
向「なに？」
興奮気味に話しかけてきたのは、同じ部屋で生活をしている子。…歳？そんなものは知らん。
俺のが背が高いから、歳上なんちゃう？
あ、本当の名前も知らんで。大人達はもやしって呼んどるから、俺もそうしとる。
「じゃじゃーん！」
向「なんやそれ、飛び散った脳みそか？」
床を石で削って何かを描いてみせた。それの何がじゃじゃーん、なのか分からん。
「ちゃうわ！これは文字。こーちゃんの名前を書いたんよ。ひらがな、って言うらしいぜ！」
向「文字…もやし文字かけるんか⁈誰に教わったん⁈」
「へへーん。夕飯のな、パンとって置いて渡したんよ。そしたら教えてもろた」
向「ええなぁ、ええなぁ。俺も文字書けるようになりたいわ。
殺されんで済むし、殺しもせんで済むもん」
ここでは1ヶ月に一回、ランク付けが行われる。
それは成績とかもそうやけど、頭の良さやったり武器の使いこなしによっても変化するんや。
AからGまであって、Aが一番良い。気に入られれば、仕事が免除になったりする。
逆にGがついた人は殺される。
やからみんな色んな手を使って、何とか生き残ろうとするんや。
もやしのやり方は、偉い方のやり方。悪い子は他の子の手の骨を折ったり、目を潰したり。
そんな潰し合いなんてザラにある。
もしGがつく人がいなくたって、一番出来の悪い奴は殺されるから。
それが、この世界。
「やろ？俺もそう思って、教えてくれる人さがしてたんよ。まあ、こーちゃんになら特別に教えてもええけど？」
向「え、ほんまに⁈もやし…優しい奴やな…」
「俺とこーちゃんの仲やろ！
ここの奴らはな、みんな馬鹿なんよ。協力するってもんを知らんから。」
向「たしかに…」
「俺らは違うで。二人で、絶対に生き残って大人になるんや。な？」
向「おん！勿論や！」
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わーぉ(プロフ) - すごく面白くて続きが気になります！最後はどんな結末になるのか… (2021年11月9日 0時) (
レス) @page37 id: 88cbea371f (このIDを非表示/違反報告)
霜(プロフ) - オレンジさん» ありがとうございます！そろそろ終幕なので、楽しみに読んで頂ければ幸いです。 (2021年10月15日 11時) (レス) id: 617f873a8e (このIDを非表示/違反報告)
オレンジ - 話の続きが気になります。ふっかは黒幕なのかな？メンバー皆んなどうなちゃうんだろう？ (2021年9月11日 4時) (レス) id: 498347d06e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：霜 | 作成日時：2021年6月24日 23時
