87阿部side ページ6
最初は上履きを隠したり、物を盗られたり陰湿ないじめだった。でも俺が色々対策したことや先生が知っていても何も言わないのを見てそいつらは調子に乗ったんだろう。
次第にエスカレートしていって、遂には直接手を出してくるようになった。
そいつらは、大手企業の息子とその取り巻き。学校へは裏口で入学したらしい。だから学校としても口を出せないんだ。
「お前よく生きてられんな」
そう罵倒されては暴力を振るわれる毎日。放課後や休み時間だけで無く授業中も。
成績はみるみる内に下がり、最初は助けてくれたクラスメイトもこいつら脅されて先生と同様に見て見ぬ振りだ。
いや、それどころかいじめに加担してくる奴もいた。
本当によく生きてられるよ、俺。
こんな筈じゃ無かったのに。良い大学に行って両親に楽させてやるつもりだったのに。
「何とか言えよ！オラｯ」
いつもに増して苛立っているのか強く腹部を殴られてその場に蹲った。
阿「ヴｯ」
ジワジワと熱を感じ、痛みに蝕まれる。空っぽの胃が悲鳴を上げているがこいつらはそんな事しったこっちゃないという感じだろう。
「ほんとにむかつく…。」
阿「ごめん…なさい…」
なんで俺は謝ってるんだ。何も悪いことしてないのに。
正常ならばそう考えられた。でも最近じゃ俺が悪いんだ、俺がむかつくからいけないんだと自分を責めるようになってしまっている。
「きも。」
その反応すらも気に食わなかったようで、ドンｯとコンクリートの校舎に頭を打ちつけられて視界が揺れた。
平衡感覚を保てず転がった俺の顔は思いっきり踏みつけられた。
脳震盪でも起こしてるのか、気持ち悪さやら痛みやらが一気に押し寄せる。
「こいつだっせえwこんなんでへばってんの？」
「ほんとに男かよwひょろっひょろでもやしw」
誰の所為だと思ってるんだ。
家に帰っても外傷からの発熱に毎日犯 され食欲なんて湧かない。
家族にはなんとかごまかせているけど、日に日に細くなっていくのは自分でも感じているんだ。
「じゃあさ〜確かめてやろうぜ？」
阿「は…？」
「お前が！本当に男か俺らが見てやるんだよ！w」
「感謝しろよ？」
阿「ちょ…やだｯ」
「うるせえよ。」
阿「あﾞ…ｶﾞﾊｯ…くる、し」
抵抗しようとしたら首を絞められる。
くるしい。
手が震えてどんどん力が抜けていく。
本当に、死ぬのかな？俺。
「小さwww」
「うけるわw」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 829人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SnowMan」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：霜 | 作成日時：2020年9月21日 18時
