寂滅の天使は夜に笑う3 (ページ22)

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103ラウールside ページ22

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ラ「なんで⁈」

外出の許可を貰おうと蒼くんから連絡が来たことをふっかさんに伝えると許可を貰えたが、その会話を聞いていた阿部くんが駄目だ、と言いだした。

理由も言わずに、俺の話も全く聴こうとしないその態度にイラッとしてついつい大きな声を出してしまった。

それでも阿部くんはだんまり。なんで、どうしてという疑問が渦巻く。

普通の高校生ならきっとこんな許可も要らない。好きに外出して、好きな子と遊ぶんだろう。

多分お母さんなんかは、『誰の遊ぶの？女の子？』なんてニヤニヤしながら聞いて来たり…。それを聞いた弟も同じくニヤニヤしながらはやし立てるんだろう。

お仕事だって。

普通の高校生ならきっとしない。

なんで、なんで、なんで。

俺だけおかしいじゃん。

ラ「わかった。阿部ちゃんがそう言うのは理由があるんだよね？…で、それを答えるつもりは無いんだ。

なら分かったよ。」

深「ラウ…」

ラ「なんで皆んな俺をそんなに子供扱いするの。俺だって、一人でなんでも出来るよ！」

吐き捨てるように言って自分の部屋に飛び込んだ。自分勝手な阿部ちゃんなんて大嫌いだ、と思いながら。

ふっかさんが心配そうにしているのにも気づきながら。

ラ「誰が言う通りにしてやるもんか。」

これが、俺が初めてした反抗だった。