83岩本side ページ2
阿「でも、俺には皆んなしか居ないんだよ。全部…捨てたんだから」
そうだったな。阿部が俺らの事を大事にする理由。俺も同じだけど、他に誰も居ない。此処が無くなってしまったらそれこそ生きる意味を失ってしまうだろう。
阿「あの時もこうだったらよかったのにな。」
岩「え?」
阿「…ふっかに言われた」
あの時って、阿部が高校生の時か。
岩「本当に言ったの?ふっかは」
阿「そう。
『お前にとってあれはもう過去なの?違うだろ。まだ乗り越えられてない。だから佐久間に自分を投影して俺らの仲間にしようとしてるんだ。』
って。」
俺の知ってるふっかじゃないみたいだ。なんで阿部を傷つけるようなことを…。
阿部が佐久間を特別に感じていることは何となく伝わっていた。でもそんな風に言わなくても良いだろ。
阿「でもそれは本当の事なんだよ。佐久間を仲間にしようとしてる事も。
側に置きたかったんだ。それで幸せになってくれれば俺も救われる、だから」
岩「それならそうすれば良い。佐久間を俺らで幸せにすれば。俺は賛成だよ。佐久間を仲間にするの」
今までだってそうだったじゃないか。俺にとっては阿部が来た時も、ゆり組が来た時も、目黒と康二が来た時も、ラウールが来た時もいつも皆んなを幸せにしようとしていた。
ふっかも含めて恵まれない皆んなが笑顔になれれば良いと思った。
佐久間もそうすれば良い。自分で自分を傷つけてしまうくらい辛い思いをしているんだから。
阿「ふっか以外は皆んな賛成してくれてるんだ。でもそのふっかの同意が一番必要で」
岩「それなら俺がなんとかする。
納得させて、阿部が望む家族の形を作ろうな」
阿「ありがとう、照」
岩「余計なことは考えるなよ」
阿「うん。」
阿部は色んなことを考えちゃうから。周りの俺らも頭をフルで回転させてサポートしていかないと。
それが家族であり、友達でもある俺らの役目だろう。
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作者名:霜 | 作成日時:2020年9月21日 18時