寂滅の天使は夜に笑う3 (ページ17)

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98阿部side ページ17

どこまでも屑で卑劣な人間だ。

「そう。元はと言えばお前が悪いんだよ！いじめられる方にも原因があるって聞いたことある～？」

「でも柊君だっけ？可哀想だよなーお前の弟だったせいで笑」

「それは言うなよ笑」

「酷いお兄ちゃんだよなあ！」

うるさい。黙れ。

全部お前らのせいなのに。

お前らのせいで俺の人生、柊の人生が壊れたのに。

身体の奥深くから煮えたぎるような怒りが湧いてくる。爪が食い込むくらい硬く握った拳が震える。何か言おうとする自分の口が動かない。

「まあ、全部どうでも良いんだけどな。」

プツンと何かが切れた音がした。瞬間、俺は胸ぐらを掴んで用意しておいたアイスピックで、眼球を貫いた。

五人全員の左目を潰した。一度では気が済まなかったから何度も刺した。

流れる血が、涙のように見えた。

阿「これでも、どうでも良いと言える？柊は左目を失った。それでも、どうでも良いと…

言えるのかよ！なあ！なんとか言えよ！！！」

ごめん、何処からかそんなか細い声が聞こえた。取り巻きの一人だ。

阿「黙れ！もう遅いんだよ！こんなのお前らが俺にした事に比べればなんともないだろ！」

余裕が無いと、矛盾してくるんだろうか。

急に態度を変え薄っぺらい謝罪の言葉を述べ出す奴らが許せなかった。