リスタート【XM】 (ページ10)

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Minseuk Side

「でもね、ヒョン。」

「そんなこと別にどうでもいいんじゃない？」

イーシンの言葉に耳を傾ける。

「だって分からないじゃない。
Aが彼氏がいるかなんて、新しい人生を歩もうとしてるかなんて、」

「会ってみないとそんなこと、分からないでしょ？」

「それに、とっても綺麗になったよ、ヌナ。」

イーシンのSNSを見れば分かる。

大人になったAが溢れる魅力を隠しきれないくらい綺麗になったことくらい。

「昔からずっと綺麗だよ、Aは。」

「もっと、ってことがいいたいの僕は～」

もう何年も更新してないSNSなんてやめればいいのに、やめられないのは、

こうやって新しいAを知れるから。

ずるいよね、いつまでもAは、九年経った今でも俺の心を簡単に操れる。

「僕明日、ヌナに会うよ」

「そっか」

ビールをごくごくと流し込む。

「元気でいてくれたら、それだけで十分だよ」

「ほんと…ヒョンもヌナも似た者同士だよ、ずーっと。」

意味の分からないイーシンの言葉を最後にAの話題は出なくなった。

「………A？」

イーシンのSNSを見て心が締め付けられていてもたってもいられなくなった俺はお酒を買いに近くのコンビニに入った。

ドリンクコーナーに足を進めると予想もしてなかった人物に俺は固まって動けなくなる。

だって＿＿＿＿

ついさっきイーシンのSNSで見たAが、

いっぱい酒飲んだのかな、顔を赤く染めてるAが、

目の前にいるんだ。

手を伸ばせば届きそうな距離に、いるんだよ。

「………A？」

俺の声に振り向いたAは目を見開いて、悲しそうな、苦しそうな顔をする。

『なん、で……』

こんなに寒いのに、脚なんて出して。

酒飲みすぎると顔が赤くなって目がトロンするんだよ、Aは。

だから、そんな飲むなよ。

俺以外の前でそんな＿＿＿＿相変わらずの独占欲に自分でも呆れる。

「…久しぶり」

9年ぶりだね、A。