リスタート【XM】 (ページ6)

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『イーシン！
もう1件行こう～～～！』

楽しい。

一人じゃないって、楽しい。

「もうヌナ～～何時だと思ってるの？」

日付超えてるよ～僕眠いよ～ってイーシンの声が聞こえるけど、知らない。

だって、ヌナ、楽しいんだもん！

『久しぶりに会ったのにつれないなぁ、イーシンは。』

「しょうがないなぁ。
あ、ジョンデ誘う？」

『いいねー！
ジョンデ誘ってカラオケ行こう』

「電話してみるね～」

ジョンデっジョンデっ、なんて楽しそうなイーシン。

『イーシン、ちょっとお水買ってくるね、』

立ち上がるとふらつく足に、相当飲んだなあって考える余裕があるってことはまだ飲めるな、よし酔い覚ましドリンクも買おーっと。

「ヌナ気をつけてよ～！
あ、僕、肉まん食べたい！」

『買わないよー！』

なんてイーシンに向かって叫んだけど、レジを並んだ私は"肉まんひとつ"って買っちゃうんだろうなぁ。

なんだかんだ私はイーシンに甘いから。

すぐ先にあったコンビニについて、酔い覚ましのドリンク2つをカゴに入れる。

『水、水～』

あーもうこの安いのでいいや。

味なんて、どれも一緒だよね。

そう、ドアをひこうと手を伸ばす。

「………A？」

誰かに名前を呼ばれて振り向く。

『なん、で……』

サーーっと酔いが覚めて行くのがわかる。

おかしいな、イーシンと二人で10本は開けたはずなのに。

そんな簡単に、酔いが覚めるわけ＿＿＿＿

「…ひさしぶり」

伸びた前髪をかきあげて気まずそうに笑う目の前にいる予想もしてなかった人物にひどく心臓を締め付けらる。

なんでこんなときに、

お酒くさいし、

絶対、顔、真っ赤だし、

化粧だってヨレてるだろうし、

ああ、さっきのお店出る前にリップ塗り直しておけはよかった。

なんて、隠しきれない動揺を心の中で誤魔化すしかできない。

『…うん、ひさしぶり』

＿＿＿＿9年ぶりだね、ミンソク。