リスタート【XM】 (ページ5)

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"なんでずっとヒョンを忘れられないかわかる？"

"そうやって、今から、現実から、ずっと逃げてるからだよ"

"ずっとずっとヒョンと向き合わないから9年も離れられないんだよ、思い出から"

ジョンデの言葉がぐるぐる頭の中を埋め尽くす。

「そんなことヌナは分かってるもんねぇ」

あ、このたこプリプリだ～なんて、久しぶりに会うイーシンは嬉しそうにプリプリのタコを頬張ってる。

「ヌナはどうしたいの？」

「ヒョンに会いたい？」

ミンソクと別れてからもイーシンと一ヶ月に一回、こうしてお酒を飲んでるけど直接的に"会いたい？"なんて聞かれたこと無かったから戸惑う。

「ヌナの気持ちも僕は理解してるけど、ジョンデの言う通りだと思うよ」

「それにヒョンがさ"今"どうしてるかなんてさ、ちゃんと会ってみなきゃ分からないでしょ」

そうだね、そうだけど、

『ミンソクに会う資格私なんかにないよ。』

「資格？
人と会うのにそんなものがいるの？」

『勝手に離れて、今更…そんなの無理だよ』

別れて数ヶ月後ならまだしも、一年、、それどころかもう9年も月日は流れてる。

「ヒョンばっかりが不器用、って思ってたけどヌナも大概不器用さんだね」

『…ミンソクよりはマシでしょ』

「ヌナ、」

珍しく真剣な顔でイーシンは私を見る。

「9年たっても未だに忘れられずにずーっと引きずってるって事は、未来のヌナもずっと引きずってると思うよ」

「9年後のヌナに笑ってて欲しいんだ、僕は」

優しく微笑むイーシン。

イーシン、あのね。

"今"を歩んでるミンソクを知るのが怖いっていうのものもあるけどね。

そんな事よりも、もっと怖いのがなにか分かる？

また、ミンソクと出会って、

"一緒になりたい"って思っちゃう自分がいるのが、

"また愛されたい"って思っちゃう自分がいるのが、

そう、確実に、いるだろうから。

そんな自分が何よりも一番怖いんだよ。