リスタート【XM】 (ページ36)

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〇番外編〇ページ36

「…なんだよ」

『や、別になんも』

あの合宿から私たちの関係に特に変化はないけど、私の気持ちは確実にミンソクに向いてる。

なぜなら、今もこうやって私の横で珈琲豆を抽出してるミンソクの真剣な横顔にドキドキしっぱなしだから。

"俺の隣にずっといればいいのにって思うから"

"俺だけ見てればいいのにって"

なんて言ったくせに、いつもと変わらないミンソク。

なに、なんなの。

あれはただのゲレンデマジックだったっていうの？

"すっご～い！ミンソク先輩のおかげでできました！"

最近新しく入ってきた高校生のアルバイト。

やたらミンソクにくっついてる彼女はきっと"ミンソク先輩"とどうにかなりたいと思ってるんだろうな。

ニコニコ嬉しそうなミンソクも満更でもなさそうだし、うん…別にいいんじゃない。

私には関係ないし。

「ミンソクってさ～昔からさりげなくモテるんだよね」

『…へ？』

「ここ最近元気ないからAちゃん。

その原因もアレ、でしょ？」

ルハンくんはミンソクとユナちゃんの方を指差す。

『…ちょっと！ち、違うから！』

ルハンくんの指を慌てて下ろすと、突然大きな声を出した私にミンソクは怪奇な表情で睨んでくる。

…なんでそんな顔されなきゃいけないんだ。

すかさず私も睨むと"なんだよ"って面倒くさそうなミンソク。

「あ～もうほんと焦れったいね、ふたりとも」

「Aちゃん、バイト終わったあと少し話そうよ」

"ふたりで"

いつもミンソクもいるのにな、って思いながらも私はうんって頷いた。

だって、今ミンソクと一緒にいたら余計な感情が邪魔して八つ当たりしちゃうと思うから。