リスタート【XM】 (ページ22)

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「スアちゃん」

ミンソクはスアちゃんの前に立つ。

「俺、結構鋭い方だからさ…正直スアちゃんの気持ちに気づいてた。」

「…みんそくせんぱい、」

私が現れたことによって、こうやって一人の子が傷つくなら、私なんかいない方が…

そう思ってその場を去ろうとしたらミンソクに手首を掴まれる。

「でも俺はAが好きなんだ」

「離れてる間でさえAでいっぱいだったのに、こうやってまた会っちゃったらさもうこの子以外考えられないの」

「ずっと誰かひとりのことを想ってるのがどれだけ辛いってこと俺には分かるけど、スアちゃんの気持ちは受け取れない」

「スアちゃんごめ……「告白もしてないのに振らないでくださいよ」

絞り出したようなか細いスアちゃんの声。

「それに分かってました。

どれだけ私がミンソク先輩の隣で先輩のことを想ってても、隣どころか何年も姿を見せないA先輩のことをずっと想ってること。」

スアちゃんは私に近づいて、

「次はもうその手離さないでくださいね」

私にそういう。

『…スアちゃん、』

「さっきミンソク先輩は自分のこと鋭いって言ってたけど一つだけ鈍感なところ、あるんですよ」

「A先輩のことになるとミンソク先輩は、バカになります。」

え？ってミンソクの声と、

あははーって笑ってるルハンくん。

「先輩がいなかった九年間、先輩よりずっとミンソク先輩のそばにいたけど…私が勝手に想って好きだっただけです」

「ミンソク先輩はバカみたいにA先輩一筋だったから。」

スアちゃんの言葉に涙がポロリとこぼれると、

スアちゃんの目からも涙がこぼれた。

「私、先輩のことすっごい憎たらしいって思うけど別に嫌いではなかったです。」

「それに私も先輩にとって嫌な存在ではあったと思うから、お互い様ってことにしてください」

「これ以上、惨めな思いしたくないので帰ります」

行こうとするスアちゃんの腕を掴む。

『…ありがとう。』

私の目をじっと見つめたスアちゃんは掴んでた私の腕を優しく下ろして何も言わずに帰ってしまった。

「次はふたりが頑張る番じゃない？」

ルハンくんは私たちを見る。

「スアちゃんすっごい頑張ったと思うよ」

うん…それは私にも分かる。

スアちゃんがとっても頑張ったこと。

「…また3人で飲みに行こうね」

ばいばーいってルハンくんも帰っていった。