リスタート【XM】 (ページ19)

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ついにやってきたミンソクの試合の日。

ジョンデと一緒に選んだ新しい服を身にまとって、

普段はめんどくさくてしない髪も巻いたりしてみた。

塗り直したリップをしまって、会場に入ろうと緊張を誤魔化すために深呼吸をする。

『…よし。』

「あれ、Aちゃん？」

聞き覚えのある懐かしい声に名前を呼ばれて振り返る。

「やっぱり、Aちゃんだ！」

『…ルハンくん、』

ミンソクの大親友ルハンくん。

付き合ってときはミンソクとルハンくんと三人でよく集まって、ご飯食べたりお酒飲んだりしてたけど、

ミンソクと別れてから当然ルハンくんと顔を合わせることはなくなった。

『うん、久しぶり、』

なんかちょっぴり気まずい。

「ここにAちゃんがいるってことはついに勇気出したんだねミンソク。いや～それにしても長かったなあ～」

ルハンくんは嬉しそうに笑う。

「これからまた頻繁に会うことになりそうだね、俺たち」

『そうなってもいいって…ルハンくんは思う？』

ルハンくんからしたら、親友を振った女なんて気を悪くするんじゃないかって思うから。

「当たり前だよ。ただでさえ何考えてるかわかんないミンソクなのにAちゃんと別れてからもっと酷くなったんだからー！」

「でもそんなミンソクが最近、色んな表情するようになったなって思ってたけど、やっぱりAちゃんのおかげだったんだね」

「ありがとう。」

ルハンくんは私に左手を差し出した。

『…え？』

「握手だよ、握手。
再会の握手と、またよろしくねっていう意味の！」

『あ、あぁ…！』

私も手を差し出したけど、誰かにその手を掴まれる。

ふわっと香るこの匂いは＿＿＿＿

「…何回もカトクしたし、電話もしたんだけど？」

眉間にシワをよせて、ちょっと不機嫌そうなミンソクだった。

『……みんそく、』

ユニフォームをきてるミンソクを見るのは久しぶりすぎて、胸がキュンとする。

「や～ミンソク！
Aちゃん来るなら言ってよ！」

「なんでお前が先にAを見つけるんだよ」

「水分買いにコンビニ行って帰ってきたら見覚えのある子がいたからさ…って俺の話聞いてる？」

このやり取り懐かしいな。

『…なんか学生時代に戻ったみたいだね』

私が言うとミンソクはなんでか知らないけど頭をポンポンと撫でて、

「過去に戻るんじゃなくて、また始めるんだよ」