リスタート【XM】 (ページ16)

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『嫉妬なんて、またまた～』

ドキドキしてるなんて、動揺してるなんて、バレたくなくて平然を装う。

「するよ、いくらでも」

冬なのになんで暑いの、手で顔の扇いでみる。

まったく無意味なんだろうけど。

ミンソクは私の手にそっと触れて、手を握る。

「好きだよ、A＿＿＿＿」

"好きだよ"

その言葉が頭の中を埋め尽くす。

「なんか言ってよ恥ずかしいだろ…」

って、気まずそうなミンソク。

好きだよ、

うん…私も好きだよ。
って言えたらどんだけ楽なんだろう。

好きだよ、って私も答えたらきっと幸せな未来が待ってるんだろうな。

そんなこと分かってるけど、、

「お酒のせいにしてもっと困らせるようなこと言ってもいい？」

なんて聞いてきたくせに、私が答える前にミンソクは話すでしょ。

私の膝から離れて、座り直すミンソク。

「ずっと苦しかったんだ」

「Aに振られてからずっと生きた心地がしなかった」

私はきっとまた、ミンソクの言葉に泣かされて、

意味わかんないくらい喜んじゃうんだろうな。

「親友にも、イーシンにも散々言われてたし自分でも気づいてたよ。不器用すぎるって、」

「Aに"気持ちがわかんない"っていわれたとき仕方ないな、とも思った。」

「でも好きすぎるんだ」

…初めて聞くミンソクのほんね。

「Aのこと好きすぎて、どうしても不器用になっちゃうんだ」

「言い訳だって思ってくれて…ってなんで泣くんだよ」

私の涙を拭ってくれる。

「こんなに人を好きになったことなかったんだ」

「今でもすっごい好きなんだ」

「"会いたかったけど会いたくなかった"ってA言ったじゃん」

「それなんとなく分かるんだ。
俺も、そう思ってた。会いたいけど会いたくないって。

でもいざ会ったら、偶然でも会ったらさ好きって気持ちにセーブが効かないんだ。」

普段言葉の少ないミンソクが、私のために気持ちを伝えてくれる。

お酒が入ってるせいかもしれないけど、真っ直ぐ私を見つめて伝えてくれる。

『…わたしもそうだよ。』

『自分からミンソクから離れたくせに、気持ちは離れることなんてなかったよ。』

『ミンソクと出会って、一緒になって、離れてたこの9年間もずっと、私にはミンソクだけだよ』

「ずるいな、Aは」

なんて私を抱き締めた。

私もミンソクの背中に腕を回した。