#順番(薬研side） ページ10
A兄が危ない。
そう思った時にはもう体は動いていた。
…………グサッ。
そんな感触が俺っちに伝わる。
目の前にいる敵を素早く倒した後、軽いこの身を生かして少し離れたA兄の元へと向かった。
これでもかってくらいの速さで走って、敵が刀をA兄に振り下ろす前に俺っちは
…………グサッ……
後ろからこの大太刀の心臓を貫いた。
薬研「柄まで通ったぞ」
そう言って初めて奴は俺っちに気づいたみたいだ。
睨むようにして俺っちを見てきた。
深くまで刺したんだ、唸る余裕もないだろう。
お前たちは消えて当然だ。
だって俺っちの大切な人を殺そうとしたんだから。
A兄に手を出すやつは、傷つけるやつはなにがあっても絶対許さない。
薬研「大丈夫かA兄」
座って立とうとしない兄に俺っちは手を差し出した。
見たところ傷は2カ所……だな。
中傷と言ったところだろう。
貴方「すまないな薬研。」
雅なその笑顔、無理して笑うその姿も綺麗だと思ってしまう。
白く見事なその衣装、赤く汚れてしまったな。
薬研「謝らないでくれ。油断して手を抜いた俺っち達が悪いんだ」
油断しなければここにいるみんな怪我せずに済んだのに。
骨喰「A兄大丈夫か」
少し遅れて骨喰兄が急いで駆け寄って来た。
やはり少し切られている。
A兄ほどの怪我じゃないな。
軽傷と言ったところだろう。
貴方「あぁ、大丈夫だ」
骨喰兄が敵を倒したのを合図かのように皆も次々に敵を倒した。
ふぅ。と大きく息を誰かが吐いた。
そんな音が聞こえるくらい静かになったこの場所で、A兄は
貴方「ごめん、帰還しようか」
敵を全て倒したというのに謝るA兄。
なぜ謝ったのか、そしてなぜそんな悲しそうな顔をしたのかは後々に分かること。
この時の俺っちは分からない。
薬研「……あぁ」
ただ返事をして、胸元から元の時代へ戻るための機械を出す。
カチャカチャと機械をいじり、時間をセットした。
薬研「A兄準備はでk……」
??「お前達、何者だ」
聞いたことの無い声が静かなここに響き渡った。
優しげで、どこか苦しそうなその声に
貴方「っ………!!??」
A兄は目を見開いた。
そして息を飲む。
瞳が揺らいでビックリとしているその表情。
…………あぁそうか。
この人が例の人か。
俺っちは兄の表情を見て
何故か嫌な予感がした。
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すずか - しろさん» 読んでくれてありがとうございます！亀更新ではありますがこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 7時) (
レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
しろ - とてもいいですね！自分こういうの大好きなんです。更新頑張って下さい応援してます。 (2019年3月25日 18時) (レス) id: 50af05c841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Raimu | 作成日時：2019年3月18日 17時
