#折れるとか ページ9
もう既に目の前にいるのは大太刀を持った鬼。
僕を見下すように交わるその視線に僕は再び恐れをなした。
此奴、さっきの大太刀と雰囲気がまるで違う。
なんだこの異様な殺気は
それにこの刃、太すぎないか…??
こんなのまともに食らったら確実に僕の負けだ
というか、刃と刃を合わせたら僕の刃は折れるんじゃないのか？
なんともまぁ、厄介な相手だ。
本気を出さない限り勝てないだろう。
貴方「まさか鬼に本気になるとは…」
『思いもしませでしたよ』
僕はそう独り言を呟くなり呼吸を整える。
新鮮な空気を吸って、吐いて、吸って吐いて。
無駄なことは考えず、前にいる鬼に意識を集中させる。
殺ることだけを考えるんだ。
それから自分の胸の高鳴りが治まるのを待つだけ、それだけ…………なんだが、それまで敵が待ってくれるはずもなく、
敵「グワァァァ!!!!」
容赦なく襲ってきた。
貴方「……っ…」
ヒュッと刀が空を切る音。
何とか避けたものの体制を崩した。
敵も本気で歴史を変えようとしているのだとこの時初めて感じる。
座り込んで動かない僕をいいことに敵は僕を斬ろうと刀を振り上げた。
なんとかして交わさなければならないというのに僕のこの足は動かなかない。
何故だ。
こんな所で終わりか？
まだここに来てほんの数分だぞ。
暇つぶしに出陣したいと言った当の本人がここで折れるの？
スローモーションで僕に振り下ろされる太く鋭い刀。
それをただただ見つめることしか出来ない僕。
それと同時に弟達の僕を呼ぶ声。
Aって呼ぶ皆の必死な声。
ダメだなぁ僕は。
何、弟に心配されてるの
こんなにみんなは頑張ってるのに僕は弱いからもう既に折れるとか、そんなこと考えてる。
そうだよ。僕はまだ折れるだなんてことは許されない。
………僕はここにいる弟達の兄者。
愛しい弟達が頑張ってるのに何僕は座って敵を見上げているんだよ。
戦わなければ勝てないんだよ。
それくらい戦場育ちの僕なら知っているはずだろう。
僕は咄嗟に刀を頭上に上げた。
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すずか - しろさん» 読んでくれてありがとうございます！亀更新ではありますがこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 7時) (
レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
しろ - とてもいいですね！自分こういうの大好きなんです。更新頑張って下さい応援してます。 (2019年3月25日 18時) (レス) id: 50af05c841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Raimu | 作成日時：2019年3月18日 17時
