#自分の罪 ページ7
目を開けたら広がったのは懐かしく、美しい風景。
今でも鮮明に覚えているのはきっとこの時代が、この主が1番好きだったから。
貴族ではなく、刀の腕がいい武士として有名だった元主は僕を大切に大切にしてくれた。
外を出歩く時は必ず僕を身につけていたな。
色んな思い出と共に自分への罪を確信する。
…………………今日、主が切腹する。
それは僕を貴族に手渡したくないがために起こる。
つまり、僕が主の手に渡りさえしなければこの悲劇は起こらなかったのだ。
主も主だよな。
いくら粟田口吉光の鍛刀した太刀だからって自分の命を失ってでも守るべき刀だったのか？
…………………違うだろ。
貴方は、もっともっと生きるべきだった。
今でも僕は思っているんだよ。
歴史を変えて貴方を生かしたいと。
貴方は最期に言った
『俺が生きている間はこいつはやらん』
かっこいいことを言ってくれる。
だが、嬉しくないんだよ僕は。
貴方が死ぬくらいなら、僕は飾られるだけの美術品になって貴方の活躍を耳にしたかった。
…………………はぁ。
でも、ここで息絶えてこその主だ。
だから今から歴史を守るべく、
貴方「みんな、戦いの時間だよ」
主の家の前に群がる、鬼を、時間遡行軍を、倒しにいく。
なんの策もない。
なんの策も浮かばない。
でも、動かなければ始まらない。
先陣を切って走り出した僕は、派手で、動きにくい衣装に気をとられながら走った。
主と色違いのこの服、
汚れてしまわぬように、僕は気をつけた。
万が一、この衣装が真っ赤に染まってしまったら、
その時は、僕、
汚した相手を許さない。
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すずか - しろさん» 読んでくれてありがとうございます！亀更新ではありますがこれからもよろしくお願いします！ (2019年3月26日 7時) (
レス) id: d9e1742b9c (このIDを非表示/違反報告)
しろ - とてもいいですね！自分こういうの大好きなんです。更新頑張って下さい応援してます。 (2019年3月25日 18時) (レス) id: 50af05c841 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：Raimu | 作成日時：2019年3月18日 17時
