俺が笑わせます！ [ 福本大晴 ] (ページ17)

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#17 ページ17

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次の日
病院に行くと
ねぇちゃんは眠ってた

一瞬、死んでしまったように思えて
ねぇちゃんを揺さぶって起こした

「ねぇちゃん、来たで」

ねぇちゃんはゆっくり目を開けて
いつもと変わらない笑顔で

「最後にたいちゃんに会えて良かった」

そう言った

「最後ってなに?
また会いに来るから
毎日来るから」

ねぇちゃんの顔が少し曇って
疲れたように力なく笑った

「もうつかれてんなぁ
たいちゃんのおかげで
生きようって、生きたいって思ってんけど
もう楽なってもええかなって」

ゆっくり、言葉を選ぶように喋って
涙を流した

「楽しかったで? ありがとうね」

ほんまにお別れみたいやん!
なんて軽口を叩こうとしても
口の中がパサパサで
水分がなくなってた
声が上手く出ない

「笑って」

やっと出た言葉

大好きなねぇちゃんの笑顔が見たい
楽しかったって言うなら、笑顔で別れよう

いつの間にか
ねぇちゃんを見送る決意が固まってた

いつも通り、レッスンまでの時間、
ねぇちゃんにしょーもない話をする

ときおりねぇちゃんは声を出さずに笑った

そして

ねぇちゃんは眠りに落ちた

俺のアホみたいな話を聞きながら

もう2度と覚めることのない眠りについた