め ページ3
あまりの寒さにに目が覚めた
「むっちゃ寒い」
呟いた口から出た息は白くなって消えていった
記憶があるのはエイトさんの歌を聴き終わったところまで
どうやらこたつで寝てしまっていたらしい
テレビも電気も点けっぱなし
こたつの電源だけが切れていた
テレビではキャスターが
ちょうど年が明けたことを伝えていた
エイトさんの出演から約2時間寝ていたらしい
あまりの寒さに初詣に行く気にもなれず
また朝まで眠ろうとしたけど
こたつで寝たせいか
体が痛くて、どこかだるい気がした
風邪をひいたらみかんを食べる
小さい頃に祖母が教えてくれたことを思い出し
こたつの上の綺麗に積まれたみかんに手を伸ばした
一房口に放り込むと
ハズレだったらしく酸味が口の中に広がった
「今年はついてへんかもなぁ」
いい1年になりますように
近所の神社の方角を向いて
手を合わせてみた
もう一房食べてみる
みかんは酸っぱいままだった
気持ちだけじゃみかんは甘くはならない
当たり前なのに
気持ちでどうにかなるんじゃないかって
思って
もう一度神社の方に向かって
手を合わせて、頭を下げた
「酸っぱ」
甘いみかんを食べることを諦めて
テレビと電気を消して
こたつのスイッチを入れ直した
わざわざ運んできた毛布くるまってこたつに入った
「風邪をひきませんように
って頼んどくんやった
神様、お賽銭ないと叶えてくれへんのかな」
そんなことを呟きながら
目を閉じた
54人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:朔也 | 作成日時:2017年9月30日 5時