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みんなに言えないまま
時間だけが過ぎていった

4月4日
いつも通り稽古場に行った

「辞める」
たった3文字が言えない

辞めるのは簡単
でも勇気がすっごくいる決断

今まで見送ってきた背中には
いろんなもんを抱えてきたんやな
って改めて気がついた

稽古場でダンスを踊ってる文ちゃんを見たら

文ちゃんはどれだけの去っていく背中を見てきたんやろう
また、龍兄達の時みたいに悲しむんかな?
って
思って涙が零れた

ちょうど稽古場に入ってきたりゅーたくんが
泣いてる私に気づいて
隣に座ってタオルを差し出してきた

「ごめんなぁ
りゅーたくんも文ちゃんも
ほんまにごめんなぁ」

「なにがごめんやねん」

文ちゃんも隣に座った

「ごめんなさい」

言わなきゃ
言わなきゃあかん

「辞める」

言いたくなかった

みんなが夢を諦めた日
自分にもこんな未来が来るかもしれない
って恐れてた

自分から終止符を打つなんて想像もしなかった

でも、どんだけ努力しても報われない
舞台にも立てない

私は弱いからね

もうしんどくなっちゃたみたい

嘘。
まだ一緒に夢を追いかけたい


辞める勇気もないくせに
続ける勇気もない


「文ちゃん、りゅーたくん

今まで、

ありがとうございました」


いい加減踏み出さなきゃね

ど→←い



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作者名:朔也 | 作成日時:2017年9月30日 5時

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