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すごい雨が降った日
俺はAと喧嘩した
理由なんかしょーもないのに
7歳も下のAにマジで怒った
そもそもの原因は
Aの傘が無くなっていることやった
レッスンを終えて帰ろうとしたら
Aの傘がなくて
周りからクスクス笑い声が聞こえて
Aは何事もにかのように
傘もささず
正確に言ったらさされへんねんけど
稽古場を出て行こうとした
とっさに腕掴んで
「なにしとうねん
この雨やのに今、傘もささずに出て行ったら
風邪ひくやろ」
優しく言おうと思ったけど
口に出た時には
結構強い口調で
「 Aやってさしたくなくて
さしてないんとちゃいます
風邪ひくことぐらいわかります
そんなアホちゃいます
でも、傘ないんやもん
しゃーないやないですか！」
Aが言ったことは正論やった
なのに俺はまたさっきと同じような口調で
「俺を頼れよ！
なんのためのお前の世話係やねん
1人でなんとかなんかできるはずないのに
1人でなんでもしようとすんな！
抱え込むな！」
って
今冷静になれば恥ずかしい
なにを言うてんの俺は
「今までなにもしてくれへんかったやん！
ただ、なにもせんと
ほんまに何にもせんと見てただけやん！」
初めてAの涙を見た
先輩たちに見せたらあかん
そう思った俺は
とっさに傘にAも入れて
稽古場を出た
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作者名：朔也 | 作成日時：2017年7月3日 15時
