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大阪についてから
俺は家には帰らずに
まっすぐ稽古場に向かった
なんかムシャクシャしちゃって
歌ったらスッキリするかな？って
そしたらちょうど淳太くんも稽古場にいるって
「おかえり、照史」
ドアを開けると淳太くんが笑顔で
俺のことを待っていてくれた
「ただいま」
今にも溢れて来そうな涙を必死に止めて
精一杯のつくり笑顔で言った
なのに淳太くんは
「無理すんな」とでもいうように
ちょっとしか変わらない身長の俺
(横幅は俺の方が大きいけど)
の頭をぐしゃぐしゃっと撫でてくれた
そんなことされたら
我慢できひんよ
「俺、何にもできひんかった」
「ほぼ毎日側におってあげてたやん」
「俺がしっかりしてへんから
なんかパニックになってしもて」
「それはしゃーないやん
誰だって、俺やってそうなる」
「俺が、Aの記憶を奪ったんや」
「ちゃう
照史のせいちゃうよ
悪いんはAを傷つけたやつやろ？」
「もう、しばらく会われへんって
もう2度と会われへんかもしれへん
合わす顔も無いけどな」
「でもAは照史を傷つけたくないから
そういう選択をしたんちゃうかな」
淳太くんは
俺の気がすむまで
隣で
俺に優しい言葉を
欲しかった言葉を
たくさんくれた
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作者名：朔也 | 作成日時：2017年7月3日 15時
