一歩～夢を諦めた君へ～ (ページ25)

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きっともう最終の新幹線は出たやろう

もう今日中に東京へ行く手段は無い

あるけどお金持ちちゃうから無理に等しい

もういっか

淳太くんに抱きしめられてるのが心地よすぎて

たまに頭を撫でてくれる

濵田くんの手が気持ちよくて

何も聞いてこない望くんの優しさが嬉しくて

負けた

でも弱音は、本音は言われへん

大好きなみんなに迷惑かけるし

でもちょっとだけ

わがままを言ってみる

「あーあ、淳太くんが止めたから

新幹線、もう出てしまったやないですか

どーしてくれるんすか」

そんな私のわがままも

淳太くんはいつもみたいな

余裕たっぷりの笑顔で

「今日は帰さへんで」

なんてサラッと言っちゃうねん

「心配せんでええよ

俺らも今日、淳太の家にお泊まりやから」

濵田くんも私のわがままを聞き入れてくれる

ありがとう

そう言いたいのに素直になれなくて

「ご飯ももちろん奢ってくれるんですよね」

とか言ってまうねん

「俺も奢ってくださいよ～」

なんて望くんも便乗

そういえば

「打ち上げ、よかったんすか？」

「あー、照史が代わりに出てくれてるから

ええねん」

そうなんや

「やっぱり俺らじゃなくて照史がよかった？」

なんて濵田くんが言うから

「濵田くんでもめっちゃ嬉しいですよ」

って言ってあげる

冗談みたいに言っちゃったけど

ほんまですよ