僕の第3章の旅 . (ページ27)

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きっかけページ27

side 結

初めて3人で過ごした冬休みは
私が変わるきっかけになったと思う

年末、類くんにお兄ちゃんの家に連れていってもらった
最低限のものしかなくて
カーテンが閉められた真っ暗なリビングで
ソファーにお兄ちゃんが寝転がってた

「れいー電気つけるかカーテン開けるか
どっちかはしてって」

またかって感じで類くんが言う
お兄ちゃんはそんなに何もできなくなってるんやって
絶望に近い感情やった

会いたいって言ってくれたお兄ちゃんに
私は何ができるんやろう

緊張しながらお兄ちゃんに声をかけた

「お兄ちゃん、お久しぶり…です。」

妹だからタメ口でいいのかな?
やっぱり敬語?

「敬語じゃなくて普通に喋ってほしいなぁ」

ふふって笑って言いながら
お兄ちゃんは体を起こした

細い体で心配になるけど
想像より元気そうな声で少し安心した

「久しぶりやね
会いに来てくれてありがとう」

手招きされてソファーに近づいたらそのまま横に座らされて
優しく頭を撫でられた

「大きくなったなぁ」

「うん」

「それに綺麗になった」

「お兄ちゃんは、ずっとかっこいい」

「光も結も何そのカップルみたいな会話笑」

すかさず類くんからツッコミ
だってほんとのことだもんねねー
って確認してくる

意外と元気だって思ったけど
その夜、3人で遅くまで話してて
お兄ちゃんの黒い部分がたくさん見えた

もっとしんどかった時の話は
類くんから聞く話も辛かったけど
お兄ちゃんから聞く話が辛すぎて
思わず涙が出たけど

「でも類とかみんなのおかげで
こんなに元気になったんだよ」

優しく抱きしめてくれて
涙止まるまで背中をとんとんしてくれて
申し訳ない気持ちでいっぱいなのに

「懐かしいね夜泣きした時思い出す笑」

ってお兄ちゃんは和ませてくれた

一緒に年は越せなかったけど
1日の夜か朝かどっちつかない時間に帰ってきて
3人で類くんお手製のそばを食べた

気づいたら寝落ちしてて
起きたらもうお昼前

案の定お兄ちゃんは爆睡で
類くんは起きてた

お昼は私が作った
お雑煮と
類くんに手伝ってもらったおばあちゃん直伝のおせち料理を食べた

類くんは料理上手で
お兄ちゃんも料理上手らしいから
お嫁さんが姑さんに見定められてるってこんな感じかなって思った笑