僕の第3章の旅 . (ページ16)

今日:3 hit、昨日:2 hit、合計:31,496 hit

特権ページ16

side 目黒

楽屋に入ると
今にも椅子からずり落ちそうなれいがいた

そんな体勢でよく寝れるよね

体幹がいいのか
それほど眠いのか

「れい、落ちちゃうよ」

声をかけても起きる気配なし

最近特に見慣れた景色

他のメンバーも
声掛けを早々に諦めた様子

「さっき起こして
ちゃんと椅子に座り直させたのに
すぐにまたこの体勢に戻っちゃった苦笑」

阿部ちゃんが諦めたのなら相当

「テレビ見てくれる人びっくりだよね
ギリギリまでこんな変な体勢で寝てるのに
カメラの前ではバキバキに踊るの」

多分楽屋と本番のギャップがすごい人
上位ランクインだと思う

「れい、リハの時間」

マネージャーさんの声だと
お仕事モードのスイッチが入るのか

俺らの誰かが起こすよりもスパッと起きてくれる

「めめ、肩貸して」

完全に目が覚めるまで
俺の肩に手を乗せて
じゃんけん列車状態でスタジオまで歩く

これは俺の特権

俺の高さがちょうどいいのか
毎回呼ばれるのは俺

「れーくん、たまには俺じゃダメ?」

「んーめめが嫌なら康二にする」

「じゃあ俺のままでいいね」

「れいー、お兄ちゃんの肩貸してやってもいいんだぞ」

「ふっかのはいいや」

「え、なんでだよ」

この役割は譲れないな