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「Aは部屋を綺麗にしてるだけだもんね」
「シホ!シホは俺の味方だよね!」
「あ、僕韓国語分からないです」
「急に味方がいない」
「ずっといないですよ」
「アサヒまで…?」
「いやただ感想を言っただけです」

Aの生活スペースを確保して荷物を持ち運ぶと、二人では狭かったヒョンソクの部屋が一年前の姿を現した。

「やっと落ち着いた俺の生活が戻る…」
「本当は寂しい癖に〜」
「Aがいなきゃ眠れない癖に〜」
「アサヒはすぐAに便乗しないの!」
「面白い事は積極的にやって行きたいので」
「イェーイ」
「イェーイ」

気怠い変わり者コンビの二人はハイタッチをしようと手を振りかぶるも、その手が重なる事は無かった。

「タイミング下手すぎじゃん」
「もう聞こえてないよ」
「二人で変顔撮ってる」

ヒョンソクが呆れながら呟くも、ジフンとマシホが見る先で二人だけの世界に浸っているアサヒとAは、スマホを掲げながらひたすら写真を撮っていた。

「もうアサヒの部屋に行けば良いじゃん」
「基本的に無口だからそのうち人の言葉を忘れそう」

ようやく出来た自分のスペースに満足したらしいAは3人を見送るとその場から動かず布団の上でスマホを眺めている。
これでやっとストレスフリーな自室生活が戻ってきた、と意気込んで部屋に戻ったヒョンソクは、その後数時間一人の時間を満喫した。

彼女が来た唯一のメリットと言っても過言では無い、Aの手料理で夕食を済ませ、そろそろシャワーでも浴びようかと部屋を出ると、ハルトとAの声が耳に突き刺さった。
部屋を出ようと開けたばかりのドアを押し開け、無理矢理部屋に入り込んできたAが珍しく不機嫌そうに頬を膨らませている。

「ハルトが此処で着替えるなって言う」
「へ?」
「…ハルト思春期だしそういうのは配慮しないとダメだね、此処で着替える」
「思春期とか思春期じゃないとかじゃないんだけど!」
「私気にしないし、何もしないから!」
「俺達が気にするの!!」

ドアノブを掴んだままAを受け止め、行きも戻れもしないヒョンソクの声を聞いたジュンギュがAを呼ぶ。

「A〜、俺はこれからシャワー行くから、こっちで着替えてて良いよ〜」

ありがとう、と返事をしてジュンギュの部屋に踵を返したAをヨシノリがタオルを広げて追いかける。至近距離すぎて気が付かなかったが、Aの後ろ姿を見てその行動の意味を理解した

「…Tシャツ一枚で歩くなよ!」

乾いた筈の赤→←3



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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます!!通知きてすぐ飛んできちゃいました!これからも頑張ってください! (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます! (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです!書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです! (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユジ | 作者ホームページ:http://twitter.com/mexaztrcx  
作成日時:2021年5月10日 23時

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