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部屋にやっと戻ってきた荷物を戻すに当たって、Aがベッドの上に置いた布団やら私物やらを下ろす。仕方がなくベッドの横に布団を敷いているとAがその位置を何度もずらしては首を傾げた。
「…机が邪魔なので移動しませんか?」
「邪魔なのはAの布団なの、むしろ」
「じゃあヒョンはここで寝て、私はベッドで寝ますね。やっと作業室で寝る生活から解放される…寝ぼけてベッドに来たらダメですよ、狭いから」
「さっきも思ってたけど寝ぼけてるんじゃなくて俺のベッドだから寝るんだよわかる?」
「いくらヒョンがベッドの1/3しか使わないとしても、狭いんです」
「じゃあもういっそくっついて寝よ」
「まぁ、それでヒョンが納得するな良いですけど…」
「Aが折れる感じなの?俺のベッドなのに?そこは嫌がって良いところだよ?」
「どっちかが折れないと話し合いにならないですから」
「あ、そう…」
「布団は取らないでくださいね、私寒がりなので」
「布団は二つ使おうよ!」
「なるほど!」
「リビングにAのスペースでも作ろうかな…」
じゃあこのゴミ屋敷を片付けないといけませんね。
そう言ってAは手を叩くと徐にスマホを手に取り、誰かに電話をかけ始める。
「助っ人を呼びました」
にっと口を引き攣らせてわざとらしく、悪戯な笑みを浮かべたAは、これからやってくるらしい助っ人の為に玄関を片付け始めた。
「玄関が綺麗になってる!」
「頑張って片付けました」
現れたのはジフンとマシホ、と控えめに後ろに立ったアサヒの三人だった。
物でごちゃごちゃしたリビングを片付ける為に駆けつけた三人は、御丁寧にマスクと手袋まで付けて準備万端な様子だ。
「Aは今日からリビングで寝るの?」
「落ち着かないけどヒョンソギオッパが同じ部屋は嫌だって言うので……」
「凄い被害者ぶるじゃん!別に嫌だって言ってないよ!」
「Aはこーんなに可愛いのに、ひどいオッパだね!」
「ジフンが甘やかすからこうなったんだよ」
「違います、Aの素質です」
「それは否定しない」
手を動かしながらふざけ合っているうちに徐々に人間の生活すべき形になるリビングに感動しつつも、ヒョンソクは納得がいかないと言うように口を尖らせた。
「何か文句ありますか?」
「むしろ無いと思うの?」
困った様に頭を掻きながらヒョンソクが笑うと、ジフンがAの頭を軽く叩きながら擁護し始める。
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます!!通知きてすぐ飛んできちゃいました!これからも頑張ってください! (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます! (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです!書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです! (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユジ | 作者ホームページ:http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時:2021年5月10日 23時