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「おめでとう〜!!A、どんな男かアッパに教えてね」
「ジフニオッパ…とうとうオッパからアッパに……」
Aが呆れたような、困ったような、はたまた諦めたような表情でジフンを見上げる。
「ヌナ、おめでとうございます!」
「ケーキだぁ…! なんで?」
「ここに来てヒョンとヌナ達の会話聞くまでなんでスタッフさんにケーキ持たされたのか全然分かりませんでしたけど、大事に持ってきました」
「ジョンファンのそういうところ良いと思うよ」
一本だけ刺さった蝋燭を吹き消す様、メンバーで囃し立てると、Aは両手を組んで目を閉じ、少ししてから蝋燭の火を消した。
「お願い事しました?」
「それ誕生日だけじゃないの?」
「え、そうなの?」
イェダムがAに問いかけるもジョンウが首を傾げながら彼に問い返す。吹き消した本人であるAは二人を見つめてまた問い返した。
「まぁ良いじゃん、何お願いしたの?」
ヒョンソクがAの右後ろから顔をだして聞く。
「デビューして、美味しいご飯が食べられます様に」
「思ってたのと全然違った」
ジュンギュが吹き出しながらそう言うが彼女は全く聞きもせず、ジェヒョクと一緒にケーキナイフを探していた。ドヨンが箱から取り出したナイフを使ってケーキに入刀、とその瞬間に周りがまた騒ぎ始めた。
「大事な事だからちゃんと考えてやろう!」
「じゃあリーダーで切ろ!」
「ジフニヒョンとヒョンソギヒョンとヌナで!」
ヒョンソクが初めに大声でそう言うとマシホが右手をケーキに差し出してジフンとヒョンソクを見る。ジェヒョクがマシホの肩に両手を置いてケーキの方を見下ろし、体を揺らしながらそう言い、周りは側から見ても何がそんなに楽しいのか分からない程大騒ぎをしている。
「三等分してから全員分切るのしんどくない?」
「良いから良いから」
「A出来んぞ!」
Aがメンバー達を振り返りながらそう言うも、ヨシノリとハルトに押し切られ、ジフンとヒョンソク、Aがテーブルの前に立つと、それぞれ割り箸やフォークやナイフと言った目の前にある物をとりあえず手に取ると、皆の声を合図にケーキに切り込みを入れた。
わーーっ、とよく分からない歓声が起きると、どさくさに紛れてジフンがAを抱え、その場でぐるぐると回り始めた。
「僕がこの子を育てました!」
「殆ど俺だよ!」
「いや…ご両親だよ」
ジフンとヒョンソクが我を忘れる前にヨシノリが静かにその場をおさめた。
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます!!通知きてすぐ飛んできちゃいました!これからも頑張ってください! (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます! (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです!書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです! (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ユジ | 作者ホームページ:http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時:2021年5月10日 23時