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え？そうなん？と小さく口にしたアサヒは口だけを動かしてAと視線を合わせた。二人でパクパクと口を動かした後、お互いが気難しそうな顔をして口を開きながら頷き合うと、視線を前に戻した。
「絶対お互い適当に口動かしてただけだろ！」
「めっちゃあ〜あれね、はいはい！って顔してただけじゃん！」
ハルトとヨシノリがAとアサヒに突っ込むも、二人はまだ二人の世界で会話(の演技)を続けている。お互いの思考を理解し合っているのに、何一つ意味は理解していない。
「デビューが決まりました」
「え〜？！そうなん？！いつ？！」
「分からない。まだ曲も出来てない。いつなんだろ？」
「それは把握しといてよ！」
マシホが拍手しながら食い気味に訊ねるのに対し、Aは視線を上に向けて小首を傾げているだけだった。
「メンバーは決まったの？ソロ？」
「メンバーは知ってる。けどそれでずっとやってく訳じゃなくて」
「期間限定的なやつ？」
「う〜ん…どうなんだろう」
ヨシノリが質問するが、またもAは曖昧な表現だった。
「この後そのメンバー達と顔合わせして話を進めていくんだけど、デビューはデビューなんだけどほぼ企画的なんだよね」
「じゃあその後はソロデビューに近いのかな？」
「うーん、わからないけど」
唇を突き出して小難しそうな表情で腕を組むAを、とりあえず拍手で祝う四人に、Aも両手を合わせながら頭を下げた。
「まぁ俺は上手く行くと思うけどな」
「お前なんも知らないじゃん」
「知ってるけど」
「知ってんのかよ！」
アサヒはAと同じ様な表情と身振りでそう言うと、ハルトに肩を強めに叩かれながらも小刻みに頷いている。
「アサヒには昨日話した」
「なんで？！俺なんて同じ宿舎なのに！」
「アサヒは友達だから…」
軽いノリでお互いを見合うと力強い握手を交わしたAとアサヒを前に、ヨシノリは眉を下げて悔しそうに唇を歪めた。
「俺は？！」
「やめろヨシノリ、見苦しいぞ」
「アサヒぃ、俺にはお前だけだと思ってたのに！」
二人のコントまがいのやり取りを冷めた目で見守る三人は、ヨシノリが頭を抱え始めるとカメラ目線になる。マシホが「はい！」と言いながら、ぱん、と一つ手を叩き、場の空気をリセットすると、再びAに視線が集まった。
「改めてAのデビューをお祝いしましょ〜、おめでとう！」
マシホの声と同時に扉が開き、他のメンバー達が登場すると、賑やかな声が室内に溢れかえった。
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (
レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます！！通知きてすぐ飛んできちゃいました！これからも頑張ってください！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます！ (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです！書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです！ (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユジ | 作者ホームページ：http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時：2021年5月10日 23時
