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イルメン配信 ページ34

ライブ配信中の事

「Aってまだ練習生なんだよね?」
「うん」

マシホの素朴な疑問にAが答える。撮影をしながらメンバーと同居生活を送り、何処に行くにも大概一緒にいるが、メンバーではない。

「練習する時間あるの?」
「正直さ、嫌味じゃないけど、もう別に練習する必要もないけど手放したくないからずっと手元に置いてる感じじゃん」
「他の事務所に取られたら痛いんだろうな」

ヨシノリがAに訊ねると、ハルトとアサヒは彼女が答える間もなく話を続ける。どうなんだろうね、面倒になってるのかもね、と適当に返すAは他人事の様に甘いコーヒーをストローで啜っている。

「馬鹿らしいでしょ」
「何が?」

鼻にかけるように笑ったAにマシホが返す。Aは長い睫毛の影を頬に落とすと、テーブルの下の足元を見つめながら話し始めた。

「皆は苦労してしんどい思いしながら、勝ち残って、しかも途中でデビューすら危うくなりながらもやって来たのに、何もしないでチャンスすら逃してる私が」
「馬鹿らしいって言うか、Aが馬鹿なだけだからあんま気にしてない」
「ハルトくんは、まだ反抗期なんですか!可愛いですね〜!」
「日本語やめろやヘタクソ!」

顎の下を指でくすぐるAの手を叩き、その手にわざとらしく噛みつこうとするハルトの前にヨシノリの手が伸びて二人の間に割って入った。

「下手じゃないよ!下手じゃないよA!」
「ヨシノリフォローするとこそこじゃない」

アサヒが冷静にそう言うとAが高く手を挙げたのを合図に二人がハイタッチする。

「…ハイタッチするタイミングでもなくない?」
「収集つかないからみんなでボケるのやめて」

ヨシノリが困惑したように笑いながらそう言うと、マシホも同じ表情を浮かべ、右手で頭を抱えて肩を揺らしている。

「…ボケなん?」
「…いやいつものノリだったわ」

アサヒがAの方を見ながら呟くと、マシホが笑いを堪えながら答える。

「一つの質問に対して視覚情報が多すぎるんよ」
「それがまぁ俺たちの魅力でもあるから」
「…まぁ、そう、そうだね」
「…俺は良いと思ったよ、良いと思ったよ。ヨシノリの今の台詞」

マシホに続いてヨシノリが笑みを浮かべ、頷きながらそう言うが、ハルトとアサヒはわざとらしい沈黙を作ってから話し始めた。スベった空気作るのやめてよ!とヨシノリが抵抗するが、二人は目を閉じて頷いているだけだった。

「でも実は今回…発表があるんだよね」

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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます!!通知きてすぐ飛んできちゃいました!これからも頑張ってください! (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます! (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです!書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです! (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユジ | 作者ホームページ:http://twitter.com/mexaztrcx  
作成日時:2021年5月10日 23時

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