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同じ部屋で生活してるのに?とスンフンが笑うと、それに合わせてヒョンソクが笑う。違う、そうじゃなくて。この短い時間で飲み込んだ言葉がたくさんあった。それで、その時スンフンはなんて返事をした?

何も言い出さず、何も聞き出せず、作り笑いがバレない様に必死だった。


「遅い!皆インタビュー終わったよ!あとはヒョンソギヒョンだけ!」
「ごめんごめん!スンフンがいてさ、ちょっと話してて」
「A、ヒョンのインタビュー放送は見送ろう」
「おっけ!!」

カメラを独り占めにしたジフンは、Aの肩を抱きながら二人だけの世界に入り浸っている。Aの表情は落ち着いているものの、さっきとは別人の様になって明るく楽しげだ。皆がAの持つカメラの中に入ろうとあのハルトですら必死に自己アピールをしているが、案の定いつものやり取りが起きて、気が付けばカメラがハルトの手に渡っていた。
変わる変わるカメラを手にして、皆が好き放題話した後、ジョンファンの手によって、やっとヒョンソクの手にカメラが渡った。

賑やかな背景と声のせいでヒョンソクの存在が薄くなっていたが、なんとか全員分のインタビューを撮ったカメラを回収すると、Aは締めの一言を入れてカメラを切る。

移動の為に車に乗り込むと、騒ぎ疲れた子供の様に眠りだす者と、それを写真に納める者とで車内は静かな笑いに包まれていたが、ヒョンソクは何故か険しい表情でじっと自分の膝を見つめていた。

「ヒョン疲れたんですか?」
「いや、考え事してた」
「スンフニヒョン、元気だった?」

ジフンに尋ねられ、ヒョンソクは辺りを見渡し、彼の耳元で小さく呟く。あの時廊下であった出来事を話すとジフンは口元を手で隠して驚いたという様な素振りを見せた。

「また付き合えば良いのに」
「なんで?」
「スンフニヒョンなら安心だし、Aも凄く懐いてだじゃないですか」
「でもお互い納得して別れたわけだし」
「未練があって、お互い後悔してるなら尚更」
「そういうもの?」

違います?と問うジフンにヒョンソクは首を傾げ、腕を組んだ。ううんと長く唸り声を上げるヒョンソクを見て、ジフンはクスクスと笑う。

「ヒョン、俺には甘やかすなとか言うのに、ヒョンもAが可愛いから嫉妬してるんだ?」
「違うよー…」
「そう?なんか付き合ってほしくないみたい」

ジフンの一言にまた胸がチクリと痛みだし、違和感の正体に徐々に近付くものの、それに気が付かないフリをした。

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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます!!通知きてすぐ飛んできちゃいました!これからも頑張ってください! (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます! (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです!書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです! (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:ユジ | 作者ホームページ:http://twitter.com/mexaztrcx  
作成日時:2021年5月10日 23時

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