水を撒く ページ13
「なんだか凄くよく眠れたのにめちゃくちゃ体が怠いんだけど」
「風邪だな」
怠いからよく眠れたんだよ、とクールに返すハルトにわざとらしく咳をかけると、Aとハルトの戯れ合うような殴り合いが始まる。
「熱測ってみたら？」
ヨシノリはハルトを宥め、朝食の席に着かせると、Aを引き離して体温計を手渡す。
「37.7」
「なんかいきなり頭痛い…」
「いきなりだな」
「ハルトが騒がせるからでしょ」
ヨシノリの言葉に納得がいかないというような顔をしたハルトだったが、それ以上は何も返さなかった。そういえばヒョンソギヒョンは？とジュンギュが訊ねるとAは無言で部屋を指さした。
「なんだかあまり眠れなかったみたい」
朝になってベッドから起き上がると、ヒョンソクはそう言って寝直したのだとAが言った。とりあえずAは病院に行くとして、同じ部屋のヒョンソクが移る確率が高い。泳がせた全員の視線が交互に合うと、ヒョンソクの部屋のドアを勢いよく閉めた。
「びっくりした！何？！なんでドア閉めたの？！」
「ヒョン…もっとヒョンと一緒に活動したかったです」
「ジュンギュ…コン…コントなの？カメラがあるの？」
「ヒョンソクは犠牲になったのだ…」
「ヨシノリ？そのナレーションなに？俺まだ寝たいんだけど？」
朝一番の診察に間に合うように支度をして宿舎を出たAは、よくある風邪の薬を処方されて帰ってきた様だ。貰った解熱剤は38度を目安に服用する様に、と記載されていた。
「今何度？」
「37.9…」
話すのも億劫そうなAがヒョンソクの問いに気怠げに答えた。まさか本当に風邪を引いていたなんて、と驚きつつも、隔離された部屋の中で甲斐甲斐しく(半強制的に)Aの世話をするヒョンソクは、Aが無言になると暇を持て余して横になった。
「寝不足だ…」
小さな不調から免疫が下がれば彼女の風邪が移りやすくなるかも知れない。と都合の良い理由を思い付いてそのまま目を閉じたヒョンソクは、寝苦しそうなAの吐息が耳についてすぐに体を起こす。
「解熱剤飲む？」
「まだ良い…上がる所まで上げないと…」
今私の全身が菌と戦っているので、と付け加え、寝返りをうつ。まだ寒気がするので熱は今以上に上がるだろう。いくらかけても意味のない布団にくるまって、止めどない寒気と戦うAの顔色がどんどん悪くなっていった。
「昨日から良い事ない…」
「ちょっと風邪引いただけじゃん」
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (
レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます！！通知きてすぐ飛んできちゃいました！これからも頑張ってください！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます！ (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです！書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです！ (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユジ | 作者ホームページ：http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時：2021年5月10日 23時
