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ゲームをしているらしいハルトの声がなんとなく部屋から漏れている。
部屋に戻って電気をつけると、ベッドの上の塊がもぞもぞと動いたので、驚いた体が跳ね上がった。すぐにそれがAだと気が付き、もう！と思わず声が出る。
「びっくりしたじゃん…また人のベッドで寝て…」
あの一件から再びこの部屋に出戻りしたAは、布団も敷かずにベッド上で毛布を頭まで被り、それを体に巻きつける様にして小さくなっていた。
声を掛けて起こす前に、寝る準備を進めてしまおうとシャワーを浴びて歯磨きを済まし、寝巻きに着替えた後でベッドに腰を下ろした。
「A〜…布団敷いたから起きて〜…」
「……」
「朝から動きっぱなしで疲れたんだよ〜…」
一向に返事がない。家に帰り、寝支度を済ませた途端に気が抜けたのか、突如として襲いかかる睡魔と戦いながら、ほとんど開かなくなった瞼をなんとか開き、Aを起こそうと試みる。
「Aの布団で寝て良い…？朝になって、文句言わないでね」
あくびをし、早々に彼女の事を諦めてAの布団に入り、体を休める。
ようやくハルトも寝たのか、しんと宿舎の中が静まり返ると、眠ろうと目を閉じ、体の神経が全て機能を停止したかの様な感覚が襲ってきて、睡魔に身を委ね掛けたが、鼻を啜る様な音が気になって体を起こした。
「ほんとに風邪引いた？」
皆を起こさない様にそっと部屋を出ると、以前片付けた筈の、再び散らかったリビングで体温計を探すのに一苦労しながらまた部屋に戻る…その前にコップに一杯だけ水を入れた。
「A、熱測ってみて」
返事は無いが布団の中から白い腕が伸びてきて、手探りで体温計を掴む。
どうやら本当に具合が悪いらしい。
「…ねむ」
目を擦りながらも体温計が測定を終え、電子音を鳴らしたのでAの肩の辺りを叩き、それを受け取った。
「熱は無いな」
水でも飲む？と聞くとようやく布団から顔を出したAは上半身を起こすとコップを受け取った。
真っ暗なので顔色は見えないが、目が慣れてくるとなんとなく輪郭が浮かんでいるのが分かる。
「大丈夫？」
「…多分」
囁く様に会話をするとAがやっと口を開いた。
「寒く無い？」
「ちょっと寒い…」
「これから熱上がるかもね」
「マスク…」
移したら大変だから、と言ってもぞもぞと立ち上がると物にぶつかりながらAが歩き始めた。
「危ないって…何処行くんだよ」
「今日はマスクしてソファで寝る…」
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (
レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます！！通知きてすぐ飛んできちゃいました！これからも頑張ってください！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます！ (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです！書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです！ (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユジ | 作者ホームページ：http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時：2021年5月10日 23時
