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この企画で他の男性練習生達と同じ様にサバイバルを行い、現実味が無い話だと理解して欲しいのだという。
「…で、未だに美味しい話を蹴ってると」
我が物顔でベッドに体を横たえるAを見下ろしてそう言うが、スマホを見つめたままの彼女の視線が交わる事はない。
「A、ここ俺の部屋なんだけど？」
「そして今日から私の部屋でもあります」
「事務所は何を考えてるんだよ！」
「私の事は男だと思って、どうぞお構いなく」
「思えません」
彼女の無茶苦茶に手を焼き尽くしたらしい事務所は、とうとう最後の手段に出た。無茶苦茶なやつにはどんな正当な理由を並べようと通用しない。無茶苦茶には無茶苦茶で返す。もう収拾も付かないほど無茶苦茶だった。
「ヒョン、Aが来たって本当？」
あ、と短く声を漏らしたジフンは開いたドアを半分閉め、深呼吸をする。少しして状況を整理したかの様に鼻から息を吐くと再びドアを開けた。
「ジフナ！いきなり入って来るなよ！」
「だって本当にいると思わなくて…A〜オッパだよ、元気だったの？」
「元気ですよ」
やっと視線を上げたAはジフンを見つめるとわざとらしく顔をくしゃっとさせて笑う。その次の瞬間にはいつもの無表情になってスマホをいじっているのに、ジフンは屈託もなく笑ってA〜！とベッドの前に座り込んで、まるで猫でも可愛がる様に頭を撫でた。
「…ジフン、これあげる」
「これとはなんですか」
「名前はAだよ。大事に育ててやってね」
「あーダメダメ、うちにはマシホがいるから猫は飼えないよ」
「ペット呼ばわりじゃん」
噂を聞いてやってきたらしいジフンがベッドに座ると自然とその膝にAが上半身を預ける。本当に猫でも可愛がる様に何事も無くその頭を撫でながらこちらを見上げるジフンに思わず深い溜息が溢れた。
「A、噂は聞いてたけどまさか本当に来ると思わなかったよ」
「事務所側は私が観念してデビューすると思ったんでしょうけど、一人生活も寂しいのでまぁそれも良いかなって思いました」
「思うな！」
そんなにナムジャグループに入りたいのなら、予行練習としてナムジャグループの中に入って生活してみろ。そう言われたら普通の人間なら「すみませんでした」と言って諦め、事務所が用意したデビューへの道を歩み出すだろう。まして彼女にはその話が絶えないのだから。変わり者の彼女はその話をまともに受け取って、じゃあそうしよう、と二つ返事をしたのだ。
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ユジ(プロフ) - おかか。さん» いつもありがとうございます。最低でも一日1〜2話を目標に更新してます。引き続きお楽しみ下さい^^ (2021年6月1日 10時) (
レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - 更新ありがとうございます！！通知きてすぐ飛んできちゃいました！これからも頑張ってください！ (2021年6月1日 0時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
ユジ(プロフ) - おかか。さん» おかか。さん、コメント有難うございます。頑張って書いていきます！ (2021年5月24日 6時) (レス) id: f31187c779 (このIDを非表示/違反報告)
おかか。(プロフ) - すごく面白かったです！書き方も主人公ちゃんの性格もとってもすきです！ (2021年5月24日 1時) (レス) id: 7c39d6ce87 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ユジ | 作者ホームページ：http://twitter.com/mexaztrcx
作成日時：2021年5月10日 23時
