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『僕、タクシーの中でAちゃんに声なんか掛けてないよ』
「え？」
『最初から僕の家に連れてくるつもりでした。』
「えっ、」
肩を掴んで、とすん、と彼女を倒す。
目をぱちくりと開いて、必死に息を止めている。
可愛いね。
『僕なんか、簡単に信じちゃダメですよ。』
『僕のこと、好きなんですよね』
彼女の元に顔を近づけると、ぎゅっと目を瞑り覚悟したような表情をする。
ふるふると唇を震わせて、待っているみたい。
いやいや、受け入れちゃダメでしょ。
このままキスしてしまおうか、なんて考えてしまう。
はあ、と息を吐き、顔を離した。
『こうなるかもしれないんだから、好きでもない人に好きなんて言っちゃ、』
彼女がすこし大きな声で遮る。
「ちゅー、してくれないんですか」
『そこまで悪い男じゃないよ』
「すきだから、好きっていってるのに」
『Aちゃん、』
「すきです」
目に涙を溜めて、はっきりとこちらを見て言う。
こんなにはっきり言う彼女を見たのは初めてで、少したじろいでしまう。
「かのじょになりたい、の、すきです」
『これで明日覚えてないとか言ったら承知しないからね』
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your side
朝、目が覚めると、見覚えのないベッドの上。
ふと横を見るとふわふわの金髪があった。
「わっ、」
『やっと起きた、早く昨日の返事したかったのに』
「昨日の返事……？」
必死に夜の記憶を遡って思い出すと同時に、みるみる顔が赤くなって行くのがわかる。
『まさか、覚えてないとか言わないですよね』
「お、おぼえてます……」
『よかった』
『Aちゃんが思ってるより、僕はちゃんと男ですよ』
「はい、」
『他の人に好きとか言うのも、ちゃんと怒るけど』
「中野さんにしか言いません」
はぁ、、、とため息をつく彼。
『僕も、Aちゃんが好きです』
「え、それって」
『彼氏になりたい、の、好きです』
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nknさんには僕も男ですよ、って言わせたくなってしまいますね
続く (更新停止中)
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作者名：佐伯 | 作成日時：2024年2月14日 21時
