酔いも：nkl ページ5
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東京22期 × 年下後輩
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nkl side
さっきから気が気ではないのは、片思い相手の姿。
公演終わりにたまたま一緒になったメンバーで来たご飯。
途中までは健全なご飯会だったものの、時間が経ち人が減っていくにつれて、
お酒も周り、悪酔いをしている面々がよく目立つ。
お酒がほとんど飲めなかったはずの彼女も、彼女の同期とにこにこしながら話し、酒を煽り、もう1杯無くなりそうだ。
隣に座る彼女の同期との距離も近い。
肩が触れそうなくらい近い。
っていうかもう触れてる。
彼女が飲みすぎないか、なんて心配は建前で、いやもちろんその心配もあるんだけど、
そんなことよりも彼女が取って食われやしないか、と焦りが隠せない。
「はるとくん、さいきんでばんふえてきて、すごいね」
「Aだって、最近頑張ってるの見てるよ」
「わ、やさし〜、うれしいな、ふふ、すき」
「うわ出た、
その内本気で勘違いした男に迫られても知らないぞ」
内心、距離の近い彼女の同期には不服だが、これには賛成である。
彼女は、言わば人懐っこい性格で、誰にだって笑顔を向け、
うれしいな、好きだな、と思うと素直に口に出す。
初めは元気いっぱいな子だな、としか思っていなかったものの、いつしか彼女からの「好き」を期待するようになってしまっていた。
彼の言う「勘違いした男」のうちの1人である。
「だいじょうぶだよ〜」なんて笑いながら隣の肩をぺしぺしと叩く彼女。
何歳も年下の彼女にこんなに夢中になってしまうなんて情けない。
それに、横で一緒ににこにこと笑う同期たちにも心がざわざわして、こんな年下の後輩に嫉妬してるだなんて、と更に情けない。
「ね、中野さんもそう思いますよね？」
1人物思いにふけっていると、彼女の横にいる同期から名前を呼ばれた。
『ごめん、聞いてなかった！何？』
「いや、Aこの調子じゃいつか悪い男に捕まるぞって思いません？」
『はは、そうだね。心配かも。』
「ほら、言われてんぞ〜」
「む〜、、ほんとにすきだとおもったひとにしかいわないもん〜〜！！」
それを聞いて、先程「すき」と言われた同期が眉を顰める。
少し彼女の周りの空気が変わったのが分かった。
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作者名：佐伯 | 作成日時：2024年2月14日 21時
