紬【短編集】 (ページ4)

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your side

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『あら、本当にめっちゃ不器用だ』

「だから言ってるじゃないですか……」

あの日から1週間後、何故か私は彼の家にいる。

本当に下手で、と何度も言い訳する私に、

じゃあ一緒に作ろうよ、と言ったのは彼だった。

大人になってから、男の人の家に2人きりだなんて初めてで、それだけでドキドキしてしまうのに、

彼の視線がずっと私に向いていて、いつもより更に手がうまく動かない。

『ほら、早くしないと固まりますよ、』

「あんまり見ないでください……」

『不器用で可愛いなと思って』

不意打ちの可愛い、にまた熱が集まって。

バレたらちょっと癪だから、ちょっと彼を睨んでやる。

『まぁでもAはいずれ上手になると思うな』

「どうしてですか」

『俺のこと好きでしょ』

「は、はい」

『ほら、好きこそ物の上手なれ、って言うじゃない』

「それそういう意味じゃないですよね…?!」

バレた？と彼は幸せそうに笑う。

『ほら、大好きな俺のために、頑張ってください』

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不安でいっぱいの女の子、大好きなので書いてしまいました。個人的にkrmさんは俺のこと好きならああして、こうして、と少し強引なかっこよさがありそうだなと思っています。