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「私は最後の作業を行う。君たちは先に出ていろ。」
カウレス「でも...」
「魔術師の指揮権も、この私の夫である権利も、すべてお前に与えた。これ以上に何を欲する?」
カウレス「......お前が欲しいのはもちろん、ずっと俺の傍にいてほしい。」
「強欲だな。だが好きだぞ、そういうところ。ギルガメッシュ、手伝え。」
ギルガメッシュ「裏に隠された、大聖杯の解体作業か?」
「あれはまだ出来んさ。空想樹が芽生えないよう、毒を撒くぞ。お前と私の魔力があれば、空想樹程度はさっさと片付くだろうさ。終わったら聖杯戦争に終わりを告げ、ロンドンへ帰還するぞ。」
ギルガメッシュ「...ああ。」
Aのことを信用し、空も何も見えない洞窟の出口へ一歩踏み出した。その瞬間に崖崩れの音がした。早く脱出しなければ、三人とも下敷きになることは確定する。毒を撒く暇もない。
「今撒かなければ、次代に同じ苦しみを背負わせかねん。行け、カウレス。」
いつも見た瞳、彼女を信用する一番の理由。曇りなきあの瞳が、いつも俺たちに彼女を信用するという選択肢を与えてきた。
カウレス「......待っているよ。」
「......間に合わないな。どうする?」
ギルガメッシュ「我の核を与えてやる。なに、一年もすればその体に馴染むだろうよ。」
「一年も生きていられるか...?」
ギルガメッシュ「治癒力は保証しない。だが...一か八か、貴様を救う最後の手口。食え、マスター。必ず生き延びて...この世界でも幸せになれ。」
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月25日 0時