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「......あんな樹、昨日まで生えていたか?」
情報が全く集まらない中、この冬木で最も多かった噂は"樹"のことだった。二年前の黒の厄災の痕跡があった場所に、それは突如として現れたのだ。
冬木の中心地に大きな植物が生え、それは空さえも貫通した。空からそれの正体を突き止めようとしたが、大きな霧に阻まれて解明も難しいと聞く。
ウェイバー「最初は見える者と見えない者に別れていたようだな。昨晩には、もう全員見えるようになったらしいが...お前、見えてなかったのか。」
ずっと私の視界に入っていたのに、ずっと私だけが認識していなかった。
「____行くか。あの樹、地上でなら調べられるのだろう。」
だからなのだろう。こんなにも近付きたくて、こんなにも愛しくて、こんなにも触れたいと思えるのは。人の本能、つまり好奇心。私の好奇心は今、あの樹に向けられている。
ウェイバー「今は視界を閉ざせ。お前の目、気持ち悪いことになっているぞ。」
「...?」
ウェイバー「お前だけが誘われてるようで...気持ち悪いんだよ...」
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作者名:琲世 | 作成日時:2022年1月25日 0時