子供になった魔術師 ページ19
ライネス｢二年前の悪夢が再来した...？どう見ても愉悦でしょ、これ。｣
ウェイバー｢それはお前だけだ...！服も当時のものに変わってるし...何だよこれ！？｣
｢......お前たちに聞こう。敵アジトに連れていかれた際に、体を触られたりは？｣
ウェイバー｢私と君だけだが...他は何もされてないぞ。｣
｢その根拠。｣
ウェイバー｢君が敵と交渉している間、使い魔が髪に触れていたんだ。気付かれないよう、何かを仕掛けたらしいが...｣
｢...ふむ。カウレス、珈琲の味を変えたのか？｣
カウレス｢変えてないよ？｣
｢チッ...味覚まで変化したのか。被害が私と先生のみに留まったのは、不幸中の幸いだろう。先生は魔術師としては三流、私は失格の類だ。子供になっても先生の観察眼が衰えなかったのも、一つの救いだろう。つまり、だ。敵は仕掛ける相手を間違えたのさ。｣
カドック｢喧嘩売ってるなら殺していいか？｣
｢は？何でさ。｣
カドック｢見た目で天才かバカかって判断されたから。｣
｢阿呆か。子供姿になるなんて、それこそ最悪でしかない。私が作った鍋の味も不味いし、お母様が仕送りした手作り菓子の味が美味しいし...！｣
カドック｢後者はともかく、前者はお前の味覚がまともになったと見ていいと思うが。｣
｢......殺す。｣
藤丸立香｢あのー...子供姿なら、もしかしたら中学生辺りから簡単に話が聞けたりしません？ほら、背格好もそんな感じだし。大人より子供の方が情報を持ってそうってイメージもあるし。｣
｢君、採用。カウレス！私と先生の荷物を用意してくれ！私たちでガキから情報収集を試みる！｣
カウレス｢今のお前もガキだけどなー。｣
｢本当に殺してやろうか...？｣
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作者名：琲世 | 作成日時：2022年1月25日 0時
