魔眼蒐集列車の行く場所 (ページ22)

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馴れ初めは、どこでもあるようなものだ。

父がコヤンスカヤと共に大聖杯を回収し、それを冬木へ運ぶ間、私はドイツのユグドミレニアの本拠地に泊まっていた。母は仕事でいなかった。

ジーク｢俺はジークだ。何か困ったことがあるなら、いつでも頼ってくれていい。｣

｢ありがとう、ジーク。｣

まだ乱暴な言葉遣いでもないし、今よりかは魔術に熱心だった。いろんな人から魔術を学び、ノートに書き留め、なるべく交流しないようにした。

知らないところで、勝手に父の評価を下げたくない。表向きの挨拶をするだけでいい、物静かな子でいい。

カウレス｢こ、こんにちは！｣

そんな子に好きに話しかけてくるのは、歳上の男。そのくせに、私に話しかけるときは緊張してた。

カウレス、君と出会ったのはその頃だった。話したのもたった一度のみだった。

メディア｢歳の差結婚...！｣

｢私に会うために時計塔に来たなんて言ってたよ、彼。本当にバカだと思う。｣

メディア｢でもいい出会いじゃない。彼のこと、大事にしてあげてね。｣

｢......まあ、それなりには。｣